“神様”リディア・コーと同組でド緊張も…ルーキー馬場咲希が堂々の米ツアー初トップ10
◇米国女子◇フォード選手権 presented by Wild Horse Pass 最終日(30日)◇ワールウインドGC (アリゾナ州)◇6661yd(パー72)
14位と上位で迎える最終日、隣には神様のようにあがめるリディア・コー(ニュージーランド)がいる。馬場咲希は「ちょっと緊張しちゃった、あれは」と素直に明かして笑う。
1番のティショットがいきなり大きく左に曲がり、隣接する18番ホールのラフへ。18番の左サイドにはOBエリアが設定されている一方、1番の左サイドにOBはない。「曲げるとしたら左だなと思ってたら、結構左に行っちゃって…。心配だったけど、2打目が狙えたんで良かったです」。2オン2パットのパーで滑り出して少しプレッシャーから解き放たれると、19歳は無限のポテンシャルをいかんなく見せつけた。
2番(パー5)から2連続バーディを先行。7番(パー5)はアプローチを1mほどに寄せて獲り、8番と9番はいずれも3mほどのチャンスを生かして3連続バーディ。一気にリーダーボードを駆け上がりながら、自分との闘いに集中していたという。「この3日間を見ていても、最終日に上位の人は絶対伸ばしてくる。私は超ビッグスコアくらい出さないと優勝は難しいと思っていたので、最初から攻めていけたらいいなと思ってました」
目指していたのは、順位ではなく4日間の自己最高スコア。「66」で目標をクリアしても、後半17番(パー5)のバーディがちょっと悔しい。1Wを左のウェイストエリアに曲げた後のセカンドは完ぺき。砂地のライで球を上げられないこと、硬い地面で転がっていくことを想定して6Iを抜き、コンタクトだけを意識したスイングでピン左4mほどにつけた。「チャンスを絶対ものにしたかったけど、ラインがちょっと違った…」。右を抜けて2日連続のイーグルを逃したパットを感情たっぷりに振り返る。
「いいショットをした時に声をかけてくれたり、すごく優しかった」というコーとは、韓国語についてのトークで盛り上がる場面もあったとか。「私のキャディさんがちょっと韓国語をしゃべれる。私は分かんないですけど(笑)」。2サムでのプレーをしっかり楽しみつつ、27歳ですでにツアーの殿堂入りを果たしているレジェンドから学ぼうと必死だ。「すごく落ち着いているし、自分のペースが確立されているなって思いました」と目を輝かせた。
通算18アンダー6位で米ツアー初のトップ10入り。すでに4月のメジャー初戦「シェブロン選手権」の出場権は手中に収めており、5月のリシャッフル突破へ大きな意味を持つ4日間となった。「ポイントを獲らなきゃいけない立場。最後まで諦めずにプレーできたのは良かった。次のロサンゼルス(JMイーグルLA選手権)もポイントをゲットできるように頑張ります」。開幕から6試合すべてでトップ10入りしているのは米国と日本だけ。大きな可能性を秘めたルーキーが、その一角として存在感を示した。(アリゾナ州チャンドラー/亀山泰宏)
2024年 フォード選手権 最終日 馬場咲希 ハイライト
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