コンビニ「古古古米」1キロ360円で販売も 備蓄米「今後は納めない」農家メリットなし
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小泉進次郎農林水産大臣が随意契約によるコンビニや中小のスーパーへの備蓄米の売り渡しについて、およそ1500件の申し込みがあったと明らかにしました。一部のコンビニでは早ければ6日から販売されます。
■コンビニ備蓄米1キロ360円 6日にも販売
3日、コンビニ大手のローソンが発表したのは1キロ360円という古古古米の販売計画です。
ローソン 竹増貞信代表取締役社長
「入荷後最短で3日で店舗展開を始めたい。全国の店舗に届けていくことで需給の安定化、これに少しでも微力ながらサポートさせていただけたら」
ファミリーマートも1キロ360円の備蓄米を6日から販売。セブン−イレブンは無洗米にして2キロ800円前後での販売を予定しているということです。
セブン−イレブンは無洗米で2キロ800円前後で販売予定
価格を割安に設定した随意契約による影響も出始めています。3月に始まった一般競争入札分の備蓄米は高値で競り落とされるため、小売り業者から取引キャンセルが懸念されています。
小泉農水大臣
「申し出があれば、そのようなこと(返還)も含め適切に対応して活用したい」
今年1月時点では、91万トンあった備蓄米。3回の入札で31万トン。随意契約で30万トン放出するため、残りはおよそ30万トンということになります。
■備蓄米「今後は納めない」農家メリットなし
そうしたなか、浮上しているのが「放出した分の備蓄米を今後、確保することができるのか?」という懸念です。
「今年は備蓄米に取り組まない。普通の主食米の方を増やすということで出荷予定契約を出した」
こう話すのは、コメ農家の鈴木昭栄さんです。8年前から生産の一部を備蓄米に回し、コメ不足だった去年は例年の180俵の2倍、360俵を国に納めました。
コメ不足だった去年は例年の2倍360俵を納めていた
しかし、コメの値段が高騰し、事前契約で価格が決まる備蓄米との金額差が大きいことから、今年は備蓄米を納めないことを決めました。
「1俵につき7000円の差がついている。(去年までは)7000円くらいの赤字でも備蓄米を出していた」
鈴木さんは、今回の放出が本来の備蓄米の趣旨に沿ったものではないことにも疑問を抱いています。
「古米、古古米、古古古米まで放出してますから。そうなって本当に万が一、有事があったらどうするんだろうって。協力したいとは思いますけど、国自体がこの後の備蓄米をどうするか全然話していないから。こんな状態では(備蓄米は)出せないなというのが本音」
(「グッド!モーニング」2025年6月4日放送分より)