今週のマーケット:米国イランの停戦交渉決裂で株価に暗雲!急騰したAI株の行方は?
・週末にパキスタンで行われた米国・イランの和平交渉は合意に至らず。米国駆逐艦がホルムズ海峡の機雷除去に乗り出したことで戦闘再開の可能性も! 週明けの株式市場は再び急落モードへ?
・15日(水)にオランダの最先端半導体装置メーカー・ASMLホールディング(ASML)、16日(木)には世界最大の半導体受託製造企業・台湾積体電路製造(TSMC:TSM)が決算発表。中東情勢緊迫化で半導体製造に支障が出ているようなら急落も?
・米国では2026年1-3月期決算発表シーズン開始。プライベートクレジット市場の信用不安の影響を受ける14日(火)のブラックロック(BLK)など、銀行や投資会社の決算に注目が集まる!
4月13日(月)の日経平均
前営業日比502円安の5万6,421円で反落スタート。停戦協議が合意に至らなかったことやホルムズ海峡の動向が不透明なこともありマイナス圏で推移、前場は前営業日比566円安の5万6,357円で終えました。後場になり下げ幅は縮小し5万6,500円台前半での推移しています(4月13日15時現在)。
先週(4月6日~4月10日)の主要株価指数
終値 前週末比 前週末比率 日経平均株価 5万6,924円 +3,800円 +7.15% TOPIX 3,739.8pt +94.6pt +2.60% ダウ 4万7,916ドル +1,411ドル +3.04% S&P500 6,816pt +234pt +3.56% ナスダック 2万2,902pt +1,023pt +4.68%今週のマーケット:和平交渉が合意に至らず株価は乱高下!ホルムズ海峡で戦闘開始なら急落?
今週の株式市場は11日(土)にパキスタンで行われた米国とイランの停戦交渉が合意に至らず、協議が継続するか、戦闘再開となるかが不透明なため、再び乱高下しそうです。
先週は8日(水)午前中を期限にイランを猛攻撃すると宣言していた米国トランプ大統領がまたもや急転直下、イランとの2週間停戦を発表して株価が急騰。
しかし、今週14日(火)に米国でレバノンと和平協議する予定のイスラエルは週末もレバノンの親イラン武装組織ヒズボラへの攻撃を続けているもよう。
また、イランが事実上、封鎖している原油輸送の要衝・ホルムズ海峡では米国の駆逐艦が機雷除去の活動を開始し、トランプ大統領は「ホルムズ海峡に出入りする船舶に封鎖措置を取る」と逆封鎖を表明。
ホルムズ海峡の支配権を巡り、一触即発の状況が続きそうです。
ニューヨーク市場の原油先物価格は先週、停戦を歓迎して13.4%も下落し、1バレル117ドル台の高値から96ドル台に低下。
しかし、ホルムズ海峡が一触即発の状況のため、今週、原油価格が再び上昇するようなら、株価や世界経済にとって極めてネガティブです。
14日(火)夜には米国の3月卸売物価指数(PPI)も発表。市場では前月比1.1%上昇、前年同月比4.6%上昇と、非常に高い伸びが予想されています。
先週10日(金)発表の米国の3月消費者物価指数(CPI)はガソリン価格上昇で前年同月比3.3%上昇。前月比では0.9%上昇と、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以来の高い伸び率になりました。
今週、トランプ大統領が和平交渉難航にしびれを切らしてイラン再攻撃に踏み切る可能性もあり、交渉継続か、戦闘再開かがはっきりするまで株価の下落モードが続きそうです。
特に先週の日経平均株価の急騰は、指数に対する寄与度の高いファーストリテイリング(9983)が2026年8月期の業績を上方修正して17.5%高した影響が大きく、より全体相場の動向を反映した東証株価指数(TOPIX)の上昇率は2.60%にとどまっています。
また先週、急騰した株は15.9%高の半導体検査装置メーカー・アドバンテスト(6857)、27.9%高の古河電気工業(5801)など半導体やAIデータセンター関連株に一極集中。
しかも今週は15日(水)にオランダの最先端半導体装置メーカー・ASMLホールディング(ASML)、16日(木)には世界最大の半導体受託企業・台湾積体電路製造(TSMC)が決算発表を予定しています。
すでにTSMCは2026年1-3月期の売上高が市場予想を上回る前年同期比35%増になったことを発表。
今週もAI株のみが上昇する一極集中相場が続く可能性が高い状況でしたが、週末の和平交渉決裂で再び中東情勢が緊迫化しているため、たとえASMLやTSMCが好決算を発表してもAI株は上値の重い展開になりそうです。
また、台湾のTSMCはイランのホルムズ海峡閉鎖で半導体製造の冷却工程に使うヘリウムの調達難に直面。
その悪影響で今後の業績見通しが引き下げられるようだと、先週上がり過ぎただけに、今週はAI株が急落する恐れもありそうです。
注目イベント:米国銀行株の決算発表、14日(火)の百貨店決算
今週は米国で2026年1-3月期の決算発表がスタート。主に銀行株が決算発表を行います。
米国の銀行は、銀行を介さず投資会社が企業に直接融資するプライベートクレジット市場の信用不安に直面。総額2兆ドル(約318兆円)といわれる同市場の2025年のデフォルト(債務不履行)率は9.2%に達しています。
同市場に対する融資額が米国銀行の中で最も大きい14日(火)決算発表のウェルズ・ファーゴ(WFC)、運用ファンドの解約停止を行っている資産運用会社ブラックロック(BLK)の決算結果が注目されます。
日本では2026年2月期決算企業の決算発表がピークに達します。
14日(火)には大丸や松坂屋を運営するJフロント リテイリング(3086)や高島屋(8233)、松屋(8237)といった百貨店が決算発表。
3月以降の中東での戦争によるインバウンド(訪日外国人)需要減少で、今期2027年2月期の業績予想が低調なものになると、内需株全般に悪影響が及びそうです。
15日(水)には3月訪日外客数も発表され、戦争開始以降のインバウンドの動向も注目材料になりそうです。
市場別マーケット動向
日本市場
先週はAI半導体株の急騰が全体相場を押し上げましたが、日本株を代表する大型株のトヨタ自動車(7203)は2.0%高、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は2.9%高、防衛関連のIHI(7013)は2.9%安、資源関連の三菱商事(8058)は3.1%安となるなど、重厚長大産業の大型株は強弱まちまちでした。
今週は2026年度の新規資金流入が、AI・半導体株以外の割安な大型株や中小型の成長株にも幅広く行き渡るかどうかが注目されます。
米国市場
先週10日(金)発表のミシガン大学消費者信頼感指数が過去最低まで落ち込むなど、戦争の悪影響がじわじわと米国内の景況感悪化につながり始めています。
和平交渉が難航し、投資家の目が物価高と景気後退が同時進行する米国内のスタグフレーションのほうに向くようだと、これまでの2週間で急激にリバウンド上昇した反動で株価が停滞する可能性も高そうです。
AI・半導体株
今週16日(木)日本時間午後3時に発表される台湾積体電路製造(TSMC)の2026年の売り上げ見通しは、中東での戦争が半導体産業に与える悪影響を占う試金石になりそうです。
長引く中東の戦争でAIデータセンター向け設備投資需要が減退していたり、ホルムズ海峡封鎖による原油高やヘリウムの調達難で半導体製造に支障が出ていたりすると、AI株反転上昇の勢いが鈍る可能性が高いでしょう。
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