石川遼は“トルクレスじゃない”TENパターを投入 人知れずボールも替えていた

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 事前(9日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇

石川遼のパターがまた変わった。ことしの初戦、1月のアジアンツアー「ニュージーランドオープン」ではツノ型のトルクレスパター「オデッセイ Ai-ONE Square 2 Square #7プロトタイプ」だったが、国内開幕戦で「オデッセイ TENプロトタイプ」を投入した。白ベースのカラーリングに黒が施された特殊なデザイン。シャフトがフェースよりだいぶ中に差さっているため、またトルクレス系のプロトタイプかと思われたが、どうやら毛色が違うパターらしい。本人の口から解説してもらおう。

「(トルクレスのような)流行のセンターシャフトっぽくなってますけど、性能をそうしたかったわけではなく、どっちかというと狙いは見え方です。前から言っていますが、ボクはフェース面にシャフトが介入してほしくないんですよね」。過去に#7のセンターシャフト(ホワイトホットXG)を使っていたが、その時もアドレス時のシャフトのフェース面への介入の話をしていた。クランクネックやショートスラントなど、オフセットのパターはシャフトがフェース面にかぶりやすく、そうなるとフェースの真っすぐさを感じにくいという。

オンセットにシャフトを差すことで、アライメントをとりやすくした。石川によれば、「ネックやシャフトとかをなるべくフェース面から離したいんです。ですからフェースが前に出たセンターシャフトが好きだったんですけど、(フェースが)もっと前に出ているといいなって」ということから生まれた発想。トルクレスでないと言っても、やはり世間の流れが後押しして「あれだけゼロトルク(トルクレス)系が流行ってきているのを見て『あんなに後ろにシャフトを差すのありなんだ』って思いました。それでコーチの(田中)剛さんとも話して、キャロウェイのレップの人にも相談してあの差し方になりました」。シャフトを中に差す行為が市民権を得たことで、新ヘッドにトライしやすくなったわけだ。

それにしても白ベースに黒のペイントにはどんな意図があるのか?「#7」から「TEN」にしたのはなぜか?「アドレスしやすいペイントを探している中の一環。これだとフェース面をより意識しやすいんです。#7でもそのカラーリングをやっていたんですが、TENのほうがヘッド上部の凹凸が少なく、ペイントするときに自分の好きな幅でやりやすい。白い部分を長くできる。今は両サイドの黒い部分を緑に変えてもいいんじゃないって話を剛さんとしています」

パター以外の変更で、ドライバーを「ELYTE X」にした理由、ウェッジのロフトピッチを変えた理由などはニュージーランドで取材した模様を確認してほしい。

そしてもう一つ、石川のギアに変化があった。人知れずボールを替えていたのだ。「クロムツアーX」からドットの入った「クロムツアー プロトタイプ」へ。他の契約選手では河本結だけが使っているモデル。キャロウェイがクロムツアークロムツアーXの間に位置付けるボールで、Xより打感が柔らかくなり、スピンも入るようになった。「ロングゲームは今まで使っているものと大差なかったんですが、完全にショートゲームのことを考えてのスイッチです。特に50yd以内、フェアウェイの順目からのスピン量などのデータはあまり変わらなかったのですが、ファーストカットとか、逆目とか、そういう最高なライじゃないときに、ドットのほうがパフォーマンスが安定していた」と石川。ニュージーランドオープン後のタイ合宿で“ドット”を試したのち、スイッチを決めた。

よりよいものを探して、常にギアのマイナーチェンジを繰り返す石川。開幕戦初日、新しい武器を手に6アンダー「65」をマークした。

石川遼の14本> ドライバー:キャロウェイ ELYTE X(10.5度) シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD GC(重さ60g台、硬さS)

フェアウェイウッド:キャロウェイ パラダイム Ai スモーク MAX(3番15度) シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD GC(70g台、X)

ユーティリティ:キャロウェイ APEX UW<2022年>(3番19度、4番23度) シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD UB(3番/80g台、X、4番/90g台、X)

アイアン:キャロウェイ APEX MB<2023年> ツアーバージョン(5~9番) シャフト:日本シャフト N.S.PRO MODUS システム3プラス プロトタイプ

ウェッジ:キャロウェイ OPUS (48、52、56、60度) シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールドEXツアーイシュー

パター:オデッセイTEN プロトタイプ

ボール:キャロウェイ クロムツアー プロトタイプ

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