今の若者は「観たことない」←もったいない! 地上波放送されない名作ジブリ
スタジオジブリ作品といえば、映画館で観るだけでなく「金曜ロードショー」で観た、という人も多いでしょう。しかし、なかには前回の地上波放送から数年経過してしまった名作もありました。
スタジオジブリの作品といえば、日本テレビの番組「金曜ロードショー」のイメージが強いでしょう。これまで数多くのジブリ作品が「金曜ロードショー」で放送されてきましたが、その後、数年間もの間、地上波放送されていない作品もあります。
●『火垂るの墓』
太平洋戦争中の神戸を舞台に、空襲で母を亡くした少年「清太」とその妹「節子」の身に起こった出来事がリアルに描かれた物語です。彼らは母との死別後、遠い親戚の家に居候させてもらっていたものの折り合いが悪く、ふたりは親戚の家を出ます。そして、とある横穴壕での短いひと時を過ごすのでした。
『火垂るの墓』は、2018年04月13日を最後に7年間も地上波で放送されていません。この作品は、視聴後に「トラウマになった」「2度と観たくない」という声も多くあがっています。しかし、それは「戦争をするべきではない」と強く訴えかける内容でもあるということです。
日本の終戦から80年となる現在は、戦争の恐ろしさを実感することはほとんどありません。そういった意味では、今後も語り継がれるべき大切な作品といえるでしょう。
●『ホーホケキョ となりの山田くん』
この作品は、ぐうたらな妻「まつ子」や、しっかり者の長女「のの子」、何をやっても平凡な長男「のぼる」など、個性豊かな山田家の日常の物語です。
デパートでの帰り道にのの子が迷子になり大騒ぎしたり、TVのチャンネル権争いで夫婦ゲンカが勃発したりと、どこかで経験した覚えのある何気ない日々がコミカルに描かれ、ほっこりします。
地上波では、2000年の「金曜ロードショー」以降の放送はありませんが、物騒な事件やストレスの多い現在社会にこそ、観たくなる温かみのある作品です。
●『海がきこえる』
この作品は、東京と神戸を舞台に学生たちの繊細な心を描く物語です。東京の大学に進学した青年「杜崎拓(もりさき たく)」が、高校時代に気になっていた同級生の「武藤里伽子(むとう りかこ)」らしき人物を駅で見かけ、そこから彼女と過ごした高校時代のことを思い出します。
高校時代、親友が頭脳明晰でスポーツ万能な転校生の里伽子に好意を寄せており、拓は里伽子と距離を置いていました。しかし、高3の修学旅行でお金を貸したことをきっかけに拓は里伽子と深く関わり始めるのです。
高校生たちの青春が生き生きと描かれており、ジブリでは、あまり見かけないファンタジー要素の含まれない作品でした。子供たちと一緒に楽しめるジブリとは異なりますが、誰もが通ったであろう青春時代の思い出と重なり、多くの大人をとりこにしています。
TVスペシャル版として制作され、1993年5月5日に日本テレビ系で放映されたものの、それ以降の地上波放送はありません。
地上波放送は叶っていませんが、ファンの熱望によって一部の劇場でリバイバル上映がたびたび行なわれています。今年は7月4日(金)より、3週間限定での上映が予定されています。
いずれも作品も地上波でジブリ作品の放送が決定するたびに、「ぜひこの作品も放送して欲しい」と熱望され続ける作品です。いつか日本の配信サービスでの配信もあるとうれしいですね。
(マグミクス編集部)