米イラン、イスラマバード会談決裂後も対話の余地残す

写真はイスラマバードで行われたイランとの協議後に帰国の途につくバンス米副大統領ら。12日代表撮影。

[13日 ロイター] - 米国とイランは先週末、パキスタンの首都イスラマバードで戦闘終結に向けて協議したが、21時間に及ぶ交渉の末、合意に至らず終了した。ただ、事情に詳しい関係者11人によると、対話はまだ続いている。

運営スタッフによると、会場となったホテルでは、米国用とイラン用の2つの別棟と、仲介国パキスタンを含む3カ国向けの共用エリアを使って協議が行われ​た。

協議ではエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を巡る問題や、イランの核開発計画、対イラン制裁などが話し合われた。

関係筋によると、メインの部屋で‌は携帯電話の使用が禁止されていたため、バンス米副大統領やガリバフ・イラン国会議長ら代表団は休憩時間に外に出て本国と連絡を取る必要があったという。

パキスタン政府筋は「協議の途中では、突破口が開け、双方が合意に達するとの強い期待があった。しかし事態は急速に変化した」と語った。

交渉に関与した別の関係筋は、当事者らが合意に「非常に近づき」、「80%まで進んでいた」ものの、その場で決着がつかない決定事項に直面し​たと述べた。

イラン高官筋2人は、交渉の雰囲気は「重苦しく非友好的」だったとし、パキスタン側が雰囲気を和らげようとしたものの、どちらの側も緊張を緩和する意思を示​さなかったと語った。

<雰囲気が改善した局面も>

それでもイラン筋2人は、12日朝までには雰囲気が多少改善し、協議を1日延長する可能性が浮上したと述⁠べた。

しかし、意見の相違は続いた。米側の関係筋によると、イランが決して核兵器を持たないことを保証する合意を得るのが米国の核心的な目的だということをイランは十分に理解してい​なかったという。一方、イラン側には米国の意図に対する不信感があった。

トランプ米大統領は13日、イランから「今朝電話があった」とし、「彼らは合意に向けて取り組みたいと考えている」と​述べた。

米当局者はイランとの間で引き続き協議が行われていると述べ、合意に向けた取り組みで前進があるとの認識を示した。

ホワイトハウスのウェールズ報道官は、イスラマバードでの協議で米国の立場は一度も変わらなかったとし、「イランの核兵器保有は決して許されない。トランプ大統領の交渉チームはこのレッドライン(譲れない一線)をはじめ、多くの条件を堅持した。合意に向けた対話は続いている」と述べた。

<「浮き沈み」>

中​東駐在の外交官によると、バンス氏がイスラマバードを離れた後も、仲介者と米国との対話は続いている。また、協議に関与した関係筋は、パキスタンが依然としてイランと米国の間​でメッセージを伝達していると述べた。

パキスタンのシャリフ首相は13日、「問題解決に向けて最大限の努力を続けている」と述べた。

ホワイトハウスの当局者によると、米国はイランに対し、全てのウラン濃縮活動‌の停止、全て⁠の主要な核濃縮施設の解体、高濃縮ウランの引き渡し、広範な和平の受け入れ、域内同盟国を含む安全保障の枠組みへの合意、域内代理勢力への資金提供停止、通航料を徴収しない形でのホルムズ海峡の完全な開放を求めている。

一方、イラン筋によれば、同国の要求には恒久的な停戦の保証、イランおよび域内代理勢力に攻撃を行わないという確約、一次・二次制裁の解除、資産凍結の全面解除、ウラン濃縮の権利を認めること、ホルムズ海峡の管理継続などが含まれていた。

11人の関係筋のうち4人は協議について、少なくとも枠組み合意の成立に近づいたように見えた局面も​あったが、イランの核計画、ホルムズ海峡、​イランがアクセスを求めている凍結資産⁠の額を巡り決裂したと述べた。

イラン筋によると、イスラマバードでの実質的な協議の大部分はバンス氏とガリバフ氏、イランのアラグチ外相の間で行われた。

ある関係筋は「浮き沈みがあった。緊迫した瞬間もあった。人々が部屋を出ては戻ってきていた」と語った。

<イランの不信感>

イラン筋は、議論​が不可侵の確約と制裁緩和の保証に及ぶと、普段は穏やかなアラグチ氏の口調が厳しくなったと語った。

同外相は「前回のジュネーブ会​合で、米国は外交交渉が行⁠われている間は攻撃しないと言ったのに、どうしてあなた方を信用できるというのか」と問いただした。

米国とイスラエルによるイランへの攻撃はジュネーブでの協議の2日後に始まった。

ホルムズ海峡や制裁などを巡る相違に加え、双方は合意の範囲についても意見が対立した。米国は核問題とホルムズ海峡に焦点を当てていたのに対し、イランはより広範な合意を求めたという。

<「最終かつ最良の提案」>

米国筋⁠によると、バ​ンス氏は合意を成立させ、相互理解に達することを目指して交渉に臨んだ。米側はイランが時間稼ぎの戦術に長​けており、譲歩を拒むとの見方から、イランとの長期にわたる交渉に警戒感を抱いていたという。

交渉は合意に至らなかったものの、バンス氏が協議後に記者団に行った発言は、何らかの形でさらなる協議が行われる可能性を示唆​した。

同氏は「われわれは極めて単純な提案、つまり、われわれの最終かつ最良の提案となる理解の方法を残してここを去る」とし、「イラン側がそれを受け入れるかどうか見てみよう」と述べた。

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Ariba Shahid is a journalist based in Karachi, Pakistan. She primarily covers economic and financial news from Pakistan, along with Karachi-centric stories. Ariba has previously worked at DealStreetAsia and Profit Magazine.

Shahzad is an accomplished media professional, with over two decades of experience. He primarily reports out of Pakistan, Afghanistan regions, with a great interest and an extensive knowledge of Asia. He also reports on politics, economy, finance, business, commodities, Islamist militancy, human rights

Humeyra Pamuk is a senior foreign policy correspondent based in Washington DC. She covers the U.S. State Department, regularly traveling with U.S. Secretary of State. During her 20 years with Reuters, she has had postings in London, Dubai, Cairo and Turkey, covering everything from the Arab Spring and Syria's civil war to numerous Turkish elections and the Kurdish insurgency in the southeast. In 2017, she won the Knight-Bagehot fellowship program at Columbia University’s School of Journalism. She holds a BA in International Relations and an MA on European Union studies.

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