『ワンピ』20年越しの伏線回収なるか? 表紙の「秘密」と気になる描写

マンガ『ONE PIECE』の魅力のひとつには、さまざまな箇所に張られた伏線があげられます。物語本編だけでなく、扉絵やコミックスの表紙にまで張り巡らされており、なかでもコミックスの表紙の伏線には興味深いものがあるようです。

新四皇となったバギーが描かれた『ONE PIECE ワンピース 20THシーズン ワノ国編 piece.54』(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』はさまざまな箇所に張られた伏線が魅力のひとつです。物語本編だけでなく、扉絵やコミックスの表紙にまで張り巡らされていることも少なくありません。なかでもコミックスの表紙の伏線には興味深いものがあるようです。

 なかでも印象的なのが、コミックス25巻の表紙です。主人公の「モンキー・D・ルフィ」、「シャンクス」、「黒ひげ」、「バギー」の4人が並ぶこの表紙は、かねてより「いずれ四皇となる存在では」と話題にあがっていました。そして、その予想は原作の第1053話で的中し、4人が新たな四皇として紹介されたことで伏線が回収されたのです。

 さらに、コミックス第105巻の表紙にも再び同じ4人が登場し、20年以上の時を経て回収されたこの構図には、感慨深さを覚えたファンも多かったようです。

 また、コミックス第50巻の表紙にも、伏線が張られていたのではないかと考えられています。この表紙で注目すべきは『ONE PIECE』のタイトルロゴです。通常、ロゴの「O」の文字の部分には麦わら帽子が描かれていますが、この巻ではルフィの兄「ポートガス・D・エース」がかぶっている帽子にも見えるような、燃えているようなイラストになっています。

 この演出から、エースの死を暗示する伏線だったのではないかと考えられているようです。実際には50巻の物語は「スリラーバーク編」の終盤にあたり、エース自身は登場していません。しかし、彼のビブルカードが小さくなるシーンが描かれており、命の危機が迫っていることが示唆されていました。

 エースを直接登場させることなく、ビブルカードと表紙の演出だけで読者に今後の展開を予感させる構成は、作者の巧みな伏線のひとつといえるでしょう。

 コミックスの表紙の伏線のなかには、まだ回収されていないものも存在します。その一例として注目されているのが、第97巻の表紙です。内容は「ワノ国編」の真っ只中で、表紙にはルフィ、「キッド」、「ロー」の3人と、「百獣海賊団」の飛び六胞が描かれていました。背景には『ONE PIECE』の世界地図が配置されており、「偉大なる航路(グランドライン)」の部分だけが異なる色で表現されています。

「グランドライン」の位置と飛び六胞の配置を組み合わせてみると、下向きの矢印のようにも見えるため、今後の展開を示しているのではないかと考えられているようです。

 通常「グランドライン」の進行方向は上向きに描かれており、それに対して逆方向を示すように見えるこの矢印は、「ルフィたちが『グランドライン』を逆走する展開が待っているのではないか」と予想されています。

 現在、原作は「エルバフ編」に突入しており、まだ逆走の展開は描かれていませんが、今後、「ラフテル」へ辿り着くために逆走する展開があるのかもしれません。

(LUIS FIELD)

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