中国の貨物船、台湾沖で通信ケーブルを損傷か-妨害行為との見方も
Yian Lee
- 問題の船舶は香港で登記された会社の所有、取締役は中国住民-FT
- 台湾の中華電信、NTTなどとケーブルシステムを共有-FT
中国の貨物船が台湾北東部沖の海底ケーブルを3日に損傷させたと台湾側はみている。台湾の通信インフラに対する妨害行為である可能性もある。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は5日、問題の船舶は香港で登記された会社の所有で、取締役は中国本土の住民だと報道。この記事に引用された台湾の当局者はケーブル損傷について、妨害行為だと指摘した。当局者の氏名は示されていない。
昨年11月には、北欧のバルト海で海底通信ケーブルの破損が相次ぎ、スウェーデンおよびフィンランド当局が、中国籍のばら積み貨物船が関与している疑いがあると発表。トロール漁船がこうした海底インフラを損傷することがあるのは知られているが、国家による意図的な妨害行為との主張を立証することは難しい。
台湾国防安全研究院の許智翔アシスタントリサーチフェローは「だからこそ、台湾は通信インフラを一段と強靱(きょうじん)にし、周辺海域の状況把握を強化する必要がある」と述べ、「そうしなければ、システムが容易に弱体化し、容疑者の責任を問うことは困難だろう」との見方を示した。
中国国務院の台湾事務弁公室は、コメント要請にすぐには応じなかった。
台湾の中華電信は4日、データ通信のルートがすぐに切り替えられ、接続状況には影響がなかったと発表。FTによれば、同社はNTTや米AT&T、チャイナテレコム(中国電信)などとこのケーブルシステムを共同所有している。
ケーブルを損傷したとみられる船舶が数日中に釜山に到着する予定であることから、台湾は韓国に調査への協力を要請したとFTは伝えている。
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