紅白歌合戦、あの尺で『放送100年』を振り返るのは無理があったような… 盛りだくさんの特別企画、せわしないのは時代のせい?

◇コラム「芸能リポーター・山﨑寛代のぶっちゃけトーク」  毎年恒例、大みそかのNHK紅白歌合戦。今回もリハーサルから本番終了後の囲みまで、取材に行って来ました。 ◆綾瀬はるか、『絶対領域』ショット【写真】  なぜ、私がリポーターを務めるワイドショー番組がNHK番組の取材をするのか? と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。それは、紅白が”国民的な番組”で、その年に活躍した歌手、アーティストが勢ぞろいする上に、芸能取材として本番終了後に直撃インタビューができるからなのです!昭和の時代から恒例となっています。  以前はNHKさんから番組映像の提供はなかったのですが、近年は、ご厚意により映像提供(もちろん使用料が発生しますが)があり、民放番組でも紅白の様子を放送できるようになりました。紅白は国民的な大みそかの風物詩、そして「日本一芸能人が通る渡り廊下」の様子は、元日のワイドショーの芸能ニュースとしておなじみとなっています。  ただ、年末に向けて民放各局も豪華な歌番組を放送していますから、民放と紅白の差別化、特別感を演出に取り入れていくことは難しくなっているのかもしれません。  さて、今回は、放送100年の節目として、オープニングは今年の顔ともいえるMrs.GREEN APPLLE(ミセス)の「夢であいましょう」からスタート。紅白でしか見られない顔ぶれでスペシャルメドレーでした。  ただ、この短い時間に100年を振り返るには無理があったような。そして名曲「上を向いて歩こう」で、いきなりエンディングのような雰囲気になってしまい、企画の難しさを感じました。  今回の紅白は、とにかく「特別企画」の多さが目立ちました。堺正章さんや氷川きよしさんは、早い段階から決まっていましたが、年末に連発して発表された特別企画。驚いたのは“究極の大トリ”と報じられた松田聖子さん。娘の神田沙也加さんが亡くなられ、紅白の出場を辞退してから4年、NHKがオファーをし続け実現した出演です。  大トリとしてはミセスの「GOOD DAY」が一体感のある会場で華やかなパフォーマンスで締めくくった後に登場した聖子さん。沙也加さんと共演した時の紅白衣装をオマージュしたような白いドレスをまとい、変わらない透明感のある歌声に感動した方も多いと思います。NHKの統括プロデューサーは、粘り強く交渉した結果と話していましたので、その熱意が伝わり、ギリギリになって聖子さんの出場が決定したようです。  放送100年を機に勇退するのが、郷ひろみさん。リハーサル取材中に飛び込んできたニュースに驚きました。出場回数38回、70歳の節目にひと区切り。でも、郷さんの歌への情熱は全く消えることはなく、「来年はファンクラブができて55年、再来年がデビュー55年。今年はホップ、来年がステップ、再来年がジャンプと位置づけていて」と話し、今年の漢字一文字の質問にも「動!ど~~!」(ゴー!!に近い発音で)と、声を響かせていました。  本番終了後、いつもは囲み取材の場所には来られない郷さんですが、今回はわざわざ来てくださり取材にも応じて頂きました。これまで紅白を盛り上げてこられた郷さんの勇退は本当に寂しいです。  布施明さんは勇退宣言から16年ぶりに出場。「若い人たちに席を譲ったはずなのに、若い人から席を譲るからって、そんな感じです」とユーモアを交えて語っていましたが、驚いたのはその声量。口元からマイクが30センチほど離れていてもスタジオに響く明瞭な言葉。「これまでパーフェストに歌えたことは1回もない」と、飽くなき向上心にも感服いたしました。  岩崎宏美さんも以前のキーのままで歌っていましたし、久保田利伸さんも声もビジュアルも全然変わっていなくて圧巻でした。久保田さんはリハーサルにも囲み取材にもいらっしゃらなかったのは残念でした。  最近の紅白らしさは、けん玉やドミノ倒しです。以前は豪華な衣装対決もありました。岩崎宏美さんは応援合戦やラインダンスがなくなったことを懐かしく振り返っていましたが、確かに、出場歌手同士や司会者と、もっと“絡み”があった印象があります。そのせいか今回は特に全体的に忙しなく感じたのは、私だけでしょうか。  セットチェンジが間に合わなくて司会者に急に尺を伸ばす指示が出たり、度々スタッフが見切れたりする(頭が映ってしまう)ことも。“絡み”があれば“間”ができず、会話でつなぐことができたはずなのに、表に立つ司会者が気の毒に思いました。視聴率を気にして詰め込みすぎているのか、忙しないのは時代のせいなのか。感動的な歌唱の後の余韻など、もう少しゆとりある進行をしてほしかったと思います。  それでもやはり紅白は年末のお祭り。今年は視聴率もアップしましたし、アーティストの歌の力、豪華な演出、感動する場面の数々でした。  ▼山﨑寛代(やまざき・ひろよ) FM群馬での勤務を経て、TBS系「3時に会いましょう」「スーパーワイド」、テレビ朝日系「スーパーモーニング」などワイドショー・情報番組でリポーターを務める。朝日放送系「おはようコールABC」出演を機に、芸能リポーターとして現在はテレビ朝日系「羽鳥慎一のモーニングショー」に出演中。STARTO ENTERTAINMENTや歌舞伎、舞台などを中心に取材している。

中日スポーツ

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