自動運転車の衝突報告義務、米政権移行チームが撤廃勧告 テスラに有利か
[13日 ロイター] - トランプ次期米大統領の政権移行チームは、先進運転支援技術や自動運転技術を搭載した車両の衝突事故の報告を義務付ける米道路交通安全局(NHTSA)の指令について、撤廃を勧告した。「過剰な」データ収集だと主張している。
ロイターが入手した文書で明らかになった。
この勧告の作成にマスク氏が関与していたかは不明。撤廃が実現するかも明らかではない。
テスラを除く大手自動車メーカーが加盟する米国自動車イノベーション協会も、この指令の負担が重すぎると批判していた。
ロイターの分析によると、10月15日までにNHTSAに報告された死亡事故45件のうち40件はテスラの車両だった。
NHTSAは声明で、衝突データは新しい自動運転技術の安全性を評価する上で極めて重要だと主張。NHTSAの元職員2人によると、昨年のテスラ車のリコールにつながった運転支援機能の調査では、衝突データが極めて重要な役割を果たし、データがなければ安全性の問題が浮き彫りになった衝突パターンを容易には識別できなかったという。
NHTSAの指令では、衝突の30秒以内に先進運転支援技術や自動運転技術が使われていた場合などに、自動車メーカーに事故の報告を義務付けている。
自動運転を専門とするサウスカロライナ大学のブライアント・ウォーカー・スミス教授(法学)によると、テスラは他の自動車メーカーでは行っていないリアルタイムの衝突データを収集しており、他社よりも「はるかに多くの割合で事故を報告している」とみられる。
また、テスラは運転支援技術を搭載した車両が多く、ドライバーがそうしたシステムを利用する頻度も高いため、運転支援技術が絡む事故の頻度が高くなる可能性があるという。
政権移行チームは、NHTSAの指令撤廃に加え、自動運転車の規制を「自由化」し、「(業界の)発展を実現する最小限の規制」を施行することも勧告している。
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Pulitzer Prize-winning business correspondent based in Washington, D.C. who has reported on the inner workings of Wall Street, Silicon Valley, American health care and national security. She can be reached at 202-967-6233. If it's sensitive, use the encrypted app Signal. Reuters provides additional secure ways to contact her: https://www.reuters.com/investigates/special-report/tips/
Chris Kirkham is a business reporter in Los Angeles who has covered topics including tobacco, worker safety, internet privacy and corporate sustainability efforts. Chris previously worked at The Wall Street Journal and the Los Angeles Times.