中国国防相、「弱肉強食」による分断回避へ世界的な結束求める

[北京 １８日 ロイター] - 中国の董軍国防相は１８日、世界的に「弱肉強食」による分断が進んでいることに警告し、結束に向けた一層の努力を求めた。

安全保障に関する国際会議「香山フォーラム」で演説し、世界は冷戦思考、覇権主義、保護主義に覆われていると述べ、暗に米国を批判した。

「対外的な軍事的干渉、影響圏の追求、他国を味方につけるための強要は国際社会を混乱に陥れるだろう」と指摘。「軍事力における絶対的優位への執着と『力こそ正義』というアプローチは、弱肉強食と無秩序によって定義される分断された世界をもたらす」と語った。

強力な中国軍は平和のための力となるとも指摘した。

また、国際秩序を維持するため、中国が役割を果たす用意があるとする一方、人民解放軍はいかなる台湾「分離主義者」の試みも阻止すると発言。

「台湾の中国への復帰は、戦後の国際秩序の不可欠な一部だ」とし「常に外部からの軍事干渉を阻止する」用意があると述べた。

昨年のフォーラムでの演説よりもタカ派的な印象を与える内容となった。

シンガポールのチャン・チュンシン国防相は、董氏の「弱肉強食」警告に呼応するように、価値観の共有が損なわれることは第２次世界大戦につながった経済的激変と過激な政治という「同じような悪循環に再び陥る危険性がある」ことを意味すると述べた。

マレーシアのモハメド・カレド・ノルディン国防相は、南シナ海を巡る領有権の「不確実性」が、中国との間に不信感や緊張を引き起こす可能性があると警告。

「われわれの共有する安全保障は、海上交通路を自由で開かれた、かつ安全な状態に保つことに依存している」とし、全て関係国に対し、国際法に基づき平和的に紛争を解決するよう呼びかけた。

また「覇権争いは責任を持って管理されなければならず、大国間の競争が地域の平和を損なうことがあってはならない」と強調した。

中国国営通信新華社によると、毎年３日間にわたって開催されるこのイベントには１００カ国から高官、軍当局者、学者を含む約１８００人の代表が参加している。

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