変わり身はやっ。マイクロソフトが「DeepSeek」を提供開始
OpenAIひとすじと思ったら大間違い。
彗星のごとく現れた中国のAI「DeepSeek(ディープシーク)」に一番はしゃいでるのは、Microsoft(マイクロソフト)のサティア・ナデラCEOかもしれません。OpenAIのデータをDeepSeekに無断で使用された疑いで調査を進めるのと同時進行で、DeepSeek最新モデルR1をAzure AI Foundryのカタログにちゃっかり加えて提供を開始しました。
以下は公式ブログからの抜粋です。
「DeepSeek R1にアクセスできるようになりました。Azure AI Foundry経由でなら、企業は信頼性の高いスケーラブルな法人対応のプラットフォーム上で、SLA、セキュリティ、責任あるAIのコミットメントの要件を満たしながら、最先端のAIをシームレスに統合できます」
「DeepSeek社が述べるように、R1はパワフルでコストのかからないモデルですので、インフラへの投資を最小限に抑えながら、より多くのユーザに最先端のAIを届けることができます」
”OpenAI以外”にも守備範囲を広げるマイクロソフト
マイクロソフトといえば、トランプ大統領が就任早々発表したAIの大型ジョイントベンチャー「Stargate」では影が薄くて、21日の発表の場にいたのもソフトバンクの孫正義CEO、オラクルのラリー・エリソン会長、OpenAIのサム・アルトマンCEOの3人だけ。「あれ? OpenAI最大出資者であるマイクロソフトのナデラCEOがいない…!」と話題でした。
そしたら3日後にCNBCが流した40分の特番「中国最新のAIモデルがアメリカの王座を揺るがす」(動画下)の冒頭にナデラCEO自らが出て、OpenAIの強敵であるDeepSeekを大絶賛。「超絶ヤバいのがきた」と興奮気味に話してて…
あの衝撃は大きかった。OpenAIをあそこまで育てたMicrosoftがそう言うなら...とだれもが感じたはず。
「DeepSeek」自体は年末から存在したAIなんですけど、あれで大きく山が動いたように感じます。
R1をアプリに実装するには
マイクロソフトはCopilot+ PCの端末上で動かせるDeepSeek R1蒸留版(軽量版)の公開も予定しているんだそうでして、OpenAI単独ではなく、いろんなAIモデルのいいところを採り入れて普及の裾野を広げることに注力していくもようです。
DeepSeek R1をアプリに入れてみたい人は、以下の手順で導入できます。
- Azureアカウントを作成してログイン
- モデルカタログのなかから「DeepSeek R1」を検索
- モデルカードを開いて「Deploy(導入)」をクリック
- 導入ページが開いて、APIとキーが1分弱で表示され、プレイグラウンドでプロンプトを試せるようになります*
*このAPIとキーは複数のクライアントで使用可能
アニメGIFの手順はこちら。アプリに導入する順を追った手順はGitHubで確認できます。GitHubブログの発表はこちらです。