Chat GPTの「Deep Research」で数時間の作業がたった数十分に

Credit: OpenAI

Lifehacker 2025年2月6日掲載の記事より転載

Deepseekに負けじと、OpenAIはChatGPTの新機能「Deep Research」を発表しました。

Deep Researchは、OpenAIの最新の調査AI機能で(Operatorに次ぐ)、自立したAIをつくるという最近のトレンドに基づいています。

OpenAIによると、Deep Researchは調査アナリストに匹敵する、詳細なレポートを生成することができるようです。簡単に言うと、あなたのためにネットを閲覧して、説明してくれるのです。

Deep Researchは、OpenAIの次期バージョンの推論o3モデルを使用し、複雑なタスクをゆっくりと時間をかけて実行します。この機能は、現在ChatGPT Pro(月額200ドル)のユーザーが利用でき、ChatGPT PlusやEnterpriseユーザーは近いうちに利用できるようになります。

Deep Researchの調査AIはどのように機能するか

OpenAIのDeep Researchは、ユーザーに頼らずに自立して動くよう設計されています。

ユーザーが詳細なプロンプトを与えると、意図を明らかにするための質問をいくつかし、それから、バックグラウンドで独自に作業をするのです。

OpenAIによると、Deep Researchの作業時間は通常5分から30分ほどかかりますが、人間が数時間かかるような作業をこのわずか十数分程度でできると言います。

作業中はページの右側にパネルがあり、その時やっていることをすべてライブで表示します。これはボットの引用であり、“思考のプロセス”を説明しているとも考えられます。

インターネットに接続し、オンラインで検索をして、ウェブページを読み、文章・画像・PDFなど大量の情報を分析し統合する……このような作業は少し計算の負荷がかかるので、OpenAIはProユーザーに対して、月に100クエリまでに制限しています。

より小規模で効率の良いモデルも、数カ月以内に発表される予定です。

一般ユーザーに役立つシーンは…

Deep Researchは、科学、金融、エンジニアリング、政策などの分野の知的労働者に向けた専用の機能ですが、消費者にも同じように役立つとOpenAIは言います。

OpenAIは、買い物で大きな決断をするための超パーソナライズされたリサーチが、どのように役立つかの例を示しました。たとえば車、家具、家電などを買う決断をするときにも役立つでしょう。

Deep Researchは、数千もの記事やレビューの情報をまとめることができるので、おそらくユーザーのニーズに適したレポートを生成できます。

Credit: OpenAI

OpenAIによると「Deep Researchは何時間もかかる難しいアナログな調査を自動化した、とその分野の専門家から評価された」とのこと。

また、OpenAIはDeep Researchの洞察がユーザーにとって価値あるものとなっていて、調査の時間を何時間も節約できている例をいくつも挙げています。

科学的な研究論文など、非常にニッチで具体的な問題を理解することにも使うことができます。

Credit: OpenAI

たとえば、化学のプロンプトでChatGPTに以下のように質問します。

「ガラス状高分子における純ガス吸着と混合ガス吸着の違い、および二重モード吸着モデルを用いて混合ガス吸着挙動を予測する方法について論じなさい」

すると、まず収着モデルを理解し、オープンソースの情報にアクセスし、重要な問題を明確にし、PDFを引用し、モデルを改良してから、すべてのコンテンツをつなぎ合わせます。

OpenAIによると、この作業によって4時間節約できたそうです。

また、ヘルスケア業界や言語学でのDeep Researchの使用例もあげ、それぞれ5時間、2時間の節約ができたと主張しています。

100以上の分野にわたる専門家レベルの知識を調べる、AIのベンチマークであるHumanityのLast Examでも、Deep Researchは良い成績を上げています。

Deep Researchは26.6%の精度という過去最高のスコアで、DeepSeek-R-1は9.4%、GPT-4oはわずか3.3%でした。

Deep Researchは大規模言語モデルではなく推論モデルをベースにしていますが、インプットには言語モデルを使用し、文章でアウトプットを生成します。

それでも、OpenAIはDeep Researchがハルシネーションを起こしたり、事実をでっち上げたりする可能性があると警告しているので、しばらくは調査の結果に目を光らせ、闇雲に信用しないように気をつけたほうがよさそうです。

Credit: OpenAI

関連記事: