1700年前の巨大仏塔、ギザの大ピラミッドに次ぐ大きさの建造物はどうやって造られた? スリランカ
西暦301年ごろ、推定9330万個の焼成した泥れんがを使って完成したストゥーパ(仏塔)「ジェータワナラーマヤ」/Jeremy Woodhouse/Photodisc/Getty Images
アヌラーダプラ(CNN) 満月の日にスリランカの古代都市アヌラーダプラを訪れたなら、過去は決して遠いものには感じられないはずだ。
白装束に身を包んだ仏教徒の巡礼者たちが、ほこりっぽい道を裸足で歩く。サフラン色の僧衣をまとった僧侶たちが夜明けとともに読経を始める。台湾からカナダまで、外国からの訪問者も地元の参拝者に交じり、2000年以上にわたってほぼ途切れることなく続いてきた儀式に参加する。
スリランカ北中部の平原に位置するアヌラーダプラは、同国で最初に栄えた王都だった。現在も仏教世界で最も神聖な都市の部類に入り、インド以外で初めて仏教を受け入れた地として知られる。広大な考古学公園には、僧院や貯水池、ストゥーパ(仏塔)が点在し、これまでに建造された宗教建築物の中でも屈指の壮大さを誇る。
その中でひときわ高くそびえるのが、巨大な半球状のドームを持つ仏塔「ジェータワナラーマヤ」だ。あまりに巨大なこの建造物は、4世紀初頭に完成した当時、人工建造物としてはエジプト・ギザの大ピラミッド群に次いで3番目の規模に達した。
西暦301年ごろ、推定9330万個の焼成した泥れんがを使って完成したジェータワナラーマヤの高さは、当初約122メートル。古代世界で有数の高さを誇る建造物だった。
数世紀にわたる崩壊や放置、修復を経て、現在の高さは約71メートルとなっている。高さは当初の半分強にすぎないが、体積でみれば、これまでに建造されたれんが造りの建造物として世界最大規模だ。
その質量はあまりにも巨大で、使われたれんがを並べれば、高さ約90センチの壁をニューヨーク市からペンシルベニア州ピッツバーグまで築くことができるほどと推計される。
しかし、スリランカ国外ではジェータワナラーマヤはほとんど知られていない。ピラミッドとは異なり、歴史を通じて人々の目に触れ続けてきたわけではなかったことに加え、ジャングルの繁茂や宗教上の優先順位の変化などによって、建造物そのものとその歴史の大部分は次第に埋もれ、古代世界で最大級の工学的偉業はほぼ忘れ去られることになったためだ。
ジェータワナラーマヤという名称はストゥーパそのものだけでなく、数百人の僧侶を収容するために造られた祇園精舎として知られる広大な僧院複合施設の中心部も指す。施設内のすべての建物はストゥーパの方向を向くよう配置され、僧侶が住居の外に出ると、まずストゥーパが目に入るようになっていた。
「ここには約200人の僧侶が暮らしていた」。僧侶で、アヌラーダプラの考古学上級担当官を務めるゴダムネ・パンナシーハ氏はそう話す。「人々は功徳を積むため、僧衣や本、食べ物など、あらゆるものを供えにやって来た」
しかし、ジェータワナラーマヤは建設当初から論争の的だった。上座部仏教の寺院と伝統的に結びついていた土地に、その僧侶たちの同意を得ずに建設されたと伝えられている。ジェータワナラーマヤは後に、大乗仏教寄りの教義に従うサーガリカ派と結びつくようになったとされる。
古代スリランカの大乗仏教の年代記は現存していない。現在のスリランカでは上座部仏教が圧倒的多数を占めている。そのため、建設をめぐる政治的、教義的な対立を含め、ジェータワナラーマヤの歴史の多くは間接的な資料から再構成する必要があり、歴史家の間でも不完全で、見解が分かれる部分も残されている。