中国大使が豪政府に慎重な対応要請、ダーウィン港リース契約巡り
Ben Westcott
- 中国のランドブリッジ、2015年に99年間のリース契約締結
- 採算が取れるようになってから返還求めるのは倫理的に疑問-肖大使
中国の肖千・駐オーストラリア大使は豪政府に対し、戦略的に重要なダーウィン港のリース契約を巡り慎重な対応を求めた。アルバニージー首相が同港の管理権を豪州の手に取り戻す方針を示していることに不満を示した。
大使館のウェブサイトに25日に掲載された声明によれば、肖大使は豪北部準州にあるダーウィン港の99年間のリース契約が2015年に「オープンかつ透明な入札プロセス」を経て中国の嵐橋集団(ランドブリッジ)との間で締結されたと指摘。嵐橋集団がそれ以来、「多額の投資」を行ってきたことに触れた。
肖大使は声明で「このような事業やプロジェクトは、奨励されるべきであって罰せられるべきではない」とし、「不採算だった時期に港を貸し出し、採算が取れるようになった段階で返還を求めるのは、倫理的に疑問がある」とした。
ダーウィン港のリース契約は、発表当初から物議を醸し、オバマ米大統領(当時)を含む関係者から批判の声が上がっていた。同港は豪州最北端の海洋施設で、米海兵隊が使用する軍事訓練拠点にも近い。
アルバニージー首相率いる中道左派の労働党政権は、24年後半に嵐橋集団の財務状況への懸念が高まる中、北部準州政府とダーウィン港の将来に関する協議を進めていた。25年の総選挙では与野党双方がダーウィン港の豪州側への返還を公約に掲げた。
4月にアルバニージー首相はABC放送のインタビューで、可能であれば新たな民間所有者を見つけたい意向を示しつつも、「連邦政府が直接介入する必要がある段階に達した場合は、そうする準備がある」と述べていた。
原題:China’s Ambassador Warns Australia Over Port of Darwin Lease(抜粋)
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