日産「新型エルグランド」世界初公開! 伝統の「二段ヘッドライト」に斬新グリル採用! 全高・全幅も拡大で「さらに大型化」! 担当デザイナーに"狙い"を聞いた!
日産が世界初公開した、新型「エルグランド」。その担当デザイナーに、特徴について語って頂きました。
日産「新型エルグランド」担当デザイナーに“狙い”を聞いた!
日産は、約16年ぶりにフルモデルチェンジする大型ミニバン新型「エルグランド」を、ジャパンモビリティショー(JMS)2025に出展。
そこで、新型エルグランドの担当デザイナーに、その特徴について語って頂きました。
そこから見えてきたのは新型エルグランドならではの“先進性”です。
今回お話をしてくれたのは、日産グローバルデザイン本部第一プロダクトデザイン部プログラムデザインダイレクターの佐藤氏。デザイン全体の責任者です。
競合に負けないように
【Q】今回エルグランドのデザインの責任者に決まった時にどう思いましたか。
佐藤氏「嬉しかったですね。2代目もデザイナーの一人として関わっていましたので、思い入れもありました」
【Q】16年ほどフルモデルチェンジせずに生産が続けられてきたエルグランドですから、その間の市場変化もありますし、デザイン的なトレンドも変わっていると思います。そのあたりはどう受け止めてデザインしていったのでしょうか。
佐藤氏「この16年の間に、よりスペーシャスでラグジュアリーな価値観や、競合車を見るとヨーロピアンで造形に動きがあったり、デコラティブな表現もされてきました。
新型エルグランドはパッケージが大きく進化しましたので、より堂々とした感じに出来ることが分かり、塊としてしっかり(競合に)負けないものにしながら、そこにどういうデザイン表現をするかを考えていったのです。
そのうえで、できるだけ初代や2代目が持っていた水平基調で長く見せ、どっしりとしたデザインを目指しました。
それと同時にシンプルですが、先進性をどれだけ感じさせられるかで勝負しています」
メッキを多用しなかったわけ
【Q】新型エルグランドのグリルは、大きな特徴のひとつに見えます。そのあたりの特徴をお教えてください。
佐藤氏「はい、ボディカラーを下から上にグラデーションさせました。そして先進的なシグネチャーをエンブレムの上部にワイドに一文字に入れています。
また、エルグランドらしい二段構えのヘッドライトを採用してもいるのです。
実は、いろいろなフロントのアイディアはありました。例えば、あまりギラギラではないものの、黒でガチっと見せる案などです。
ただ決め手になったのは前回のジャパンモビリティショーに出展した『ハイパーツアラー』でした。
これも私がデザインを担当したモデルで、プロポーションは全然違うのですが先進感があったので、この方向性で行こうという声が社内から上がりました。
そこでフロント全体のボディカラーを多くしてモダンに見せながら、でも強さはきちんと塊で見せて、先進感や高級感はライトで見せています」
【Q】因みに他社と違い、あまりメッキを使わなかったのはなぜですか。
佐藤氏「先進感を出すためです。メッキを多用するとちょっと古臭く感じるでしょう。
なのでインテリアも含めてキラキラさせるものはあまり使わずに、もし使ったとしてもマット仕上げにしています」