超レアすぎる数千匹のナマズたちによる岸壁のぼりがあまりにもすごい
集合体恐怖症の方は見ないほうがいいかも? でも、がんばってる姿です。
野生のナマズは人目を避けるように暮らしており、ナマズの生態を知ろうとしている研究者たちにとっては捕らえどころのない存在。
そんな中、滝の下で奇妙なナマズの塊を見つけたという通報がある警察署に入り、研究者のチームが調査に呼ばれました。
その正体は?
およそ20時間観察を続けた研究者たちは、南米に広く生息するオレンジと黒の縞模様を持つドワーフ・バンブルビーキャットと呼ばれるナマズの一種であることを突き止めました。急で垂直な滝を群れで登っていたのが、その塊の正体だったのです。この驚くべきナマズたちの集団行動は、2025年8月8日付のJournal of Fish Biologyで発表されています。
Image: Science X: Phys.org, Medical Xpress, Tech Xplore / YouTube研究者たちには嬉しいサプライズ
米Gizmodoの取材に応えてくれた論文の筆頭著者でマットグロッソ・ド・スル連邦大学の生物学者であるManoela M. F. Marinho氏は「小さなドワーフ・バンブルビーキャットたちが力を合わせて岩壁を登る姿を目撃できたのは、魚好きの私たち全員にとってすごく嬉しいサプライズでした。本当に素晴らしい瞬間でした」と語っています。
Image: Manoela M. F. Marinhoチームで登るナマズたちの秘密の生活
午後6時ごろから数千匹のナマズが小さな滝の下に集まり、登り始めました。傾斜が急になるほど、一匹ずつ必死に体をくねらせて登っている様子も見られたといいます。一方、比較的平らな岩場では、互いの体によじ登りながら協力して進む姿も。
なぜこのような行動を取るのかは、完全にはわかっていません。解剖や観察の時期から判断すると、産卵のために上流へ移動していた可能性が高いと考えられています。またナマズたちは何も食べていないようにも見えたそうです。
さらに、この行動は本能的なもののようで、「私たちが用意したプラスチック製バケツといった人工物にも登っていた」と論文には記されています。
この研究は、生態学におけるフィールド観察の重要性、そして奇妙な目撃情報を追うことが思いがけない発見につながることを示しています。