「逆転で入ります」巨人・阿部監督が開幕1軍ラスト枠にドラ2抜てき「必要なピースになると思うよ」
巨人・阿部慎之助監督(46)が26日、イースタン・オイシックス戦(Gタウン)を視察し、ドラフト2位・浦田俊輔内野手(22)=九産大=の大逆転開幕1軍入りを決めた。浦田は今月中旬に左足首捻挫で離脱していたが、23日に実戦復帰し、この日は2安打2打点1盗塁。指揮官は試合後「逆転で浦田が入ります」と明言し「必要なピースになると思うよ」と期待を込めた。「最後の1枠」をつかみ取った男が新人唯一の1軍スタートとなる。
開幕2日前。躍動する若武者の姿にGタウンのネット裏から熱視線を送った阿部監督が決断を下した。「逆転で浦田が(1軍に)入ります」。自らの目で生チェックを終えると、帰路に就く前にドラ2ルーキーの開幕1軍入りを明言した。
「7番・遊撃」で出場した浦田は1打席目の2回2死走者なしで中前打を放つと、直後に盗塁成功。5回2死満塁では右前へ2点適時打を放って、最後のアピールに成功した。指揮官は前日25日、「(開幕1軍の登録期限は)明日(26日)の15時かな。明日の1、2打席目内容を見て」と若手へ向けてハッパをかけていた。その期待に22歳が応えた。
キャンプを2軍で過ごした浦田は1日のヤクルト戦(東京D)から1軍に参加。その後も結果を残し継続参加していたが、地元・長崎での11日・ソフトバンク戦で盗塁した際に左足首を捻挫し、離脱した。目標の開幕1軍は遠のいたかのように見えたが、それでも幸い軽傷で23日の3軍戦で実戦復帰。25日に2軍に合流したばかりだった。阿部監督の視察に燃える思いもあったが「いつも通りと、心がけてやりました」とし、吉報に「率直にうれしいのと、チームを背負っていくわけなので、その2つの気持ちです」と思いを口にした。
50メートル5秒8の足が最大の売り。11日の試合では遊撃への平凡なゴロを内野安打にし、阿部監督から「すごい武器だから」と絶賛されていた。本職の二遊間、三塁に加え外野練習もしてきた中、シーズンではまずは守備固めや代走の役割を担うとみられ、指揮官は「必要なピースになると思うよ」と改めて期待をかけた。
チームでは主力の丸が右太もも裏の負傷で離脱したのは痛手だが、若手が猛アピールで新人唯一の開幕1軍をつかみ取ったのは明るい材料。「自分のセールスポイントとして足がある。アピールしたいところではあるので、オープン戦から続けている『積極的に』というのは続けられているかな」と浦田。つかみ取った1軍の舞台でも、冷静かつがむしゃらにグラウンドを駆け回る。(田中 哲)
◆浦田 俊輔(うらた・しゅんすけ)2002年8月30日、長崎市生まれ。22歳。小学1年から大村クラブで野球を始め、長崎・海星では2年夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入りし、通算打率3割9分2厘、37盗塁で3度の盗塁王。背番号32。年俸1200万円(金額は推定)。171センチ、67キロ。右投左打。
◆浦田の経過 ▽3月1日 春季キャンプ2軍スタートから、1軍に参加。ヤクルト戦(東京D)に代走から出場し2打数無安打。 ▽3日 東京Dで行われた全体練習で外野の守備練習を開始。 ▽7日 オリックス戦(京セラD)で途中出場。9回に右翼への二塁打を放ち、オープン戦5打席目で“プロ初安打”。 ▽8日 オリックス戦(京セラD)に途中出場し、2打数2安打で初のマルチ安打。 ▽11日 地元・長崎でのソフトバンク戦に「2番・遊撃」で出場。遊撃への平凡なゴロを内野安打とし、直後にオープン戦初盗塁をマーク。 ▽12日 前日11日の試合で左足首を捻挫したことが発表され、ソフトバンク戦が行われた福岡から帰京。 ▽21日 G球場での3軍練習に合流。 ▽23日 北海学園大との3軍戦(G球場)で実戦復帰し3打数2安打。 ▽25日 2軍に合流。イースタン・オイシックス戦(Gタウン)に途中出場し、イースタン初打席初安打初打点を記録。