米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に市場は期待
[22日 ロイター] - トランプ米次期大統領が、財務長官に著名投資家のスコット・ベッセント氏を指名すると発表した。投資家からは、ここ数週間低迷していた米国債市場が持ち直す可能性があるとの声が出ている。
トランプ次期政権の政策で財政赤字が急増することへの懸念から国債市場は売られ、10年債利回りは5カ月ぶりの高水準にある。ここ数日は財務長官人事をめぐる不透明感も売りに拍車をかけていた。トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズ(ニューヨーク)のマイケル・パーブズ最高経営責任者(CEO)によると「トランプ氏が好ましくない人物、あるいは究極の関税支持者を選ぶのではないか、といった不安がある程度織り込まれていた」という。
暗号資産ファンド、アシンメトリックのジョー・マッキャン最高経営責任者(CEO)は、財務長官人事の発表を受け「これで財政規律が強化される。市場は大歓迎だ」と語った。
トランプ氏は、中国などからの輸入品に高関税を課す方針を示している。
ナティクシスの米国エコノミスト、クリストファー・ホッジ氏は、ベッセント氏が市場に焦点を当てた見解を示し、極端な関税引き上げや貿易戦争の可能性が後退することを期待する。「市場に敏感な人なら、潜在的なリスクを伝えることが可能だろう」と述べた。
コロンビア・スレッドニードルのシニア金利ストラテジスト、エド・アルフサイニー氏は、財務長官人事発表前に「非常に孤立主義的な人が多い。次期長官が孤立主義者なら、米国外の金融混乱が幾分深刻化する」と述べていた。
国債市場は金融政策の影響を受ける。このため投資家は米連邦準備理事会(FRB)の独立性に関する次期政権の見解にも注目している。
トランプ氏は8月に、大統領がFRBの決定について「発言権」を持つべきだと主張した。トランプ氏の盟友がFRBの独立性を低下させる案を策定したとの一部報道もあった。
ウェリントン・マネジメント・カンパニーの債券ポートフォリオマネジャー、カンペ・グッドマン氏は「FRBが独立を保つことが債券市場にとって良いことだ。FRBが独立を保つことを望む」と述べた。
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Davide Barbuscia covers macro investment and trading out of New York, with a focus on fixed income markets. Previously based in Dubai, where he was Reuters Chief Economics Correspondent for the Gulf region, he has written on a broad range of topics including Saudi Arabia’s efforts to diversify away from oil, Lebanon’s financial crisis, as well as scoops on corporate and sovereign debt deals and restructuring situations. Before joining Reuters in 2016 he worked as a journalist at Debtwire in London and had a stint in Johannesburg.