「大阪・関西万博でコスプレは禁止されている」は誤り。公式サイトで「装着しての入場は可能」と案内(篠原修司)
大阪・関西万博で人気漫画『ダンジョン飯』のキャラクターのコスプレをして来場したことについて、X(旧Twitter)でコスプレ界隈を中心に騒ぎとなっています。
その騒ぎのなかで「万博でコスプレは禁止されている」「禁止をしていないだけでコスプレは許可されていない」といった言動が拡散されていますが、これは誤りです。
大阪・関西万博は公式サイトで「装着しての入場は可能」と案内しています。
持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能
大阪・関西万博の公式サイトの「よくあるご質問」のコーナーでは、コスプレについて以下のように案内されています。
Q.コスプレまたは仮装をしての入場は可能ですか。
A.持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能です。
但し、会場内の公序良俗に反する服装や平穏を乱す行為は禁止です。
コスプレ・仮装のための着替え場所はありません。トイレでの着替えは、他の来場者の使用に際して迷惑となる場合がありますので禁止です。
他の来場者の迷惑となるような写真撮影行為は禁止です。
他の来場者に迷惑となるおそれがあるもの、不安感や恐怖感を与えるものは入場をお断りする場合があります。
顔全体を覆うマスクなど、顔の大半が見えなくなるもの(医療目的で必要なもの等を除く)は、入場をお断りする場合があります。また、安全上の理由から取り外しをお願いする場合があります。
コスプレまたは仮装をしての入場は可能ですか。 – よくあるご質問 | Expo 2025
読めば分かると思いますが、「持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能」です。
「(コスプレまたは仮装を)装着しての入場は可能」が大阪・関西万博による公式の案内です。
「コスプレは許可されていない」と言った意見が出るのは、なぜ?
それではなぜ公式ページでは許可していると案内されているのに、外野から「コスプレは許可されていない」といった意見が出てくるのでしょうか?
一言で言ってしまえば“空気を読んだ配慮”です。
「よくあるご質問」の回答で案内されているように、以下のような注意書きもついています。
- 会場内の公序良俗に反する服装や平穏を乱す行為は禁止
- コスプレ・仮装のための着替え場所はありません
- トイレでの着替えは禁止です。
- 他の来場者の迷惑となるような写真撮影行為は禁止
- 他の来場者に迷惑となるおそれがあるもの、不安感や恐怖感を与えるものは入場をお断りする
これを配慮して読むと「コスプレは禁止してないけど、着替える場所もないし変な衣装はお断りだし他の来場者の迷惑になる写真撮影もやめて」となり、空気を読んだ結果「禁止をしていないだけでコスプレは許可されていない」となるのだと思われます。
しかし、この意見はいわゆる“お気持ち”でしかありません。
「(コスプレまたは仮装を)装着しての入場は可能」と公式に案内されているのですから、コスプレの入場は可能です。また、写真撮影も迷惑にならないのであれば可能です。
「Japan Expo Paris in Osaka 2025」もコスプレ可と告知
こうした騒動を受けてか、4月26日、27日に開催される「株式会社エントリー presents Japan Expo Paris in Osaka 2025」が、公式サイトとX(旧Twitter)で「コスプレの入場について」以下のように案内を出しています。
来場者様のコスプレまたは仮装をしての入場について、「Japan Expo Paris in Osaka 2025」では、博覧会協会が定める各種規則に基づき運営しております。
コスプレ入場については、博覧会協会が『持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能』と定めているため、本イベント運営側としても、同じ基準で運営いたします。
博覧会協会HP
なお、本イベント会場を含め、万博会場内にはコスプレ・仮装用の更衣室は用意していないため、ご留意ください。
コスプレまたは仮装をしての入場について|お知らせ|Japan Expo Paris in Osaka 2025(ジャパンエキスポパリ イン 大阪)
博覧会協会が案内している「持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能」の基準で運営するということです。
「コスプレは許可されていない」という意見は、コスプレでの参加が増え、一部の迷惑なコスプレイヤーが現れることでコスプレ界隈に悪い影響が出ないかを心配してのものだとは思いますが、公式の案内と異なる案内をするのはやめましょう。
1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は [email protected] まで