話題株ピックアップ【夕刊】(2):住友ファーマ、フジクラ、古河電(訂正)

住友ファーマ <日足> 「株探」多機能チャートより
■フォーバル <8275>  1,524円  +80 円 (+5.5%)  本日終値  フォーバル<8275>が大幅高で3日ぶりに反発している。この日、山口県岩国市が実施する25年度「デジタル活用人材育成・人材確保支援事業」を受託したと発表しており、好材料視されている。同事業は、市内の中小企業の実情に即したデジタル技術の導入支援に加え、未就労者やキャリアアップを希望する人々に向けて、デジタルスキル習得のための学習機会を提供し、企業の生産性向上と人材確保の両立を目指すもの。同社は市内中小企業などの実態調査の実施やデジタル技術の活用に係る学習機会提供の企画・運営一式、未就労者など向け人材育成及び就労支援事業などを支援することで、岩国市のデジタル化による企業変革と人材育成を両立し、持続可能な地域経済の実現に取り組むとしている。

■TOA <6809>  1,104円  +58 円 (+5.5%)  本日終値

 TOA<6809>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は4日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比1.8%増の111億7900万円、経常利益は同4.1倍の4億3100万円となった。営業損益と最終損益は黒字転換を果たしている。決算内容をポジティブ視した買いが入ったようだ。中東では市況回復やラマダン需要の取り込みによる効果が出た。オランダ企業の連結子会社化もあって、欧州・中東・アフリカ部門は大幅な増収増益。国内とアジア・パシフィック部門はともに減収となったが、収益性は改善した。なお、同社は7月に開示した米国子会社での資金流出事案について業績への影響は軽微であり、通期の業績予想の修正は不要と判断したと公表している。

■住友ファーマ <4506>  1,316円  +62 円 (+4.9%)  本日終値

 住友ファーマ<4506>が後場に急伸、年初来高値を更新した。同社は5日、パーキンソン病の治療に向けて開発中のiPS細胞による医薬品に関し、日本国内で製造販売承認申請を行ったと発表。これを材料視した買いが集まったようだ。住友化学<4005>との合弁で運営するRACTHERAとともに京都大学医学部付属病院で実施した医師主導治験のデータを踏まえ、非自己iPS細胞由来のドーパミン神経前駆細胞(国際一般名はラグネプロセル)の製造販売承認申請を行った。製造は住友化との合弁のS-RACMOが行い、販売は住友ファーマが担当する予定。ラグネプロセルは厚生労働省より先駆け審査制度の指定を受けており、優先審査の対象品目となる。

■フジクラ <5803>  10,675円  +405 円 (+3.9%)  本日終値

 フジクラ<5803>が3日ぶりに切り返し、一時前日比360円高の1万630円まで上値を伸ばし、7月31日以来となる上場来高値を更新した。データセンター建設需要が世界的に高まるなか、通信インフラに必須の部材である光ファイバーなどを手掛ける同社株への注目度は引き続き高い。そうしたなか、市場関係者からは「産業用コネクターを手掛けるアンフェノール<APH>が通信関連部材メーカー大手コムスコープ<COMM>のケーブル部門などを買収するとの報道が出ている。買収金額は日本円で1兆5000億円強と伝わるなど結構な大型案件で、光関連部材の中期的な成長性を示唆する買収劇となっている。東京市場でもフジクラや古河電気工業<5801>が、ワールドワイドに存在感を高める背景ともなっている」(中堅証券ストラテジスト)という意見が聞かれた。

■新日本科学 <2395>  1,432円  +50 円 (+3.6%)  本日終値

 新日本科学<2395>が後場に上げ幅を拡大した。同社は5日午前11時30分、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比16.7%増の64億7700万円、経常利益は同50.8%増の5億1500万円となった。主力のCRO(医薬品開発業務受託機関)事業が好調に推移しており、好感されたようだ。CROの非臨床事業は欧米顧客からの引き合いが想定以上に増加し、受注高は前年同期比12.9%増となった。地熱発電所の運営などを手掛けるメディポリス事業は営業黒字に転換。為替差益も発生した。半面、米Satsuma社の経費の増加や実験機器・設備への投資強化による減価償却費の増加などを背景に、全体では4~6月期は営業赤字となった。

■イトーキ <7972>  2,425円  +84 円 (+3.6%)  本日終値

 イトーキ<7972>は朝高後に値を消す展開になった。同社は4日の取引終了後、25年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想の上方修正を発表。寄り付きは好感した買いが入り年初来高値を更新したものの、4月から上げ基調が続いていたこともあり、利益確定売りが優勢になった。通期の売上高予想を1450億円から1500億円(前期比8.3%増)、営業利益予想を115億円から120億円(同19.1%増)に引き上げた。オフィス家具の販売やオフィス移転のプロジェクトマネジメントなどに取り組む「ワークプレイス事業」で販売が拡大する。

■マツダ <7261>  942.8円  +24.3 円 (+2.7%)  本日終値

 マツダ<7261>が後場に買われ、前日比で一時8%を超す上昇となった。同社は5日午後1時30分、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、これまで未定としていた通期の業績予想について、売上高が前期比2.4%減の4兆9000億円、最終利益が同82.5%減の200億円になる見通しだと公表した。同じく未定としていた配当予想に関しては、中間配当として25円とする方針を示した。前期の中間配当と同水準で、期末配当予想は引き続き未定としたものの、業績面での不透明感が和らいだとの受け止めから買いが入ったようだ。今期の想定為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=169円とした。米国の関税政策の影響を受けながらも、前期並みの販売台数の維持を図るとともに、変動費・固定費あわせて800億円のコスト削減に取り組む方針。4~6月期の売上高は前年同期比8.8%減の1兆997億7000万円、最終損益は421億400万円の赤字(前年同期は498億1400万円の黒字)となった。

■ワールドHD <2429>  2,467円  +61 円 (+2.5%)  本日終値

 ワールドホールディングス<2429>が急動意、5日移動平均線を足場にマドを開けて上昇し、連日の年初来高値更新と気を吐いている。同社は半導体関連業界などをはじめ製造業向けに技術者派遣や請負を展開しているが、足もとの業績は絶好調に推移している。4日取引終了後に25年12月期中間期(25年1~6月)決算を発表、売上高は前年同期比19%増の1317億8500万円、営業利益は同2.1倍の49億7500万円と倍増した。営業利益の中間期予想は35億4300万円で、これを14億円強上回っての着地となった。半導体向けで好調な需要を取り込んでいるほか、注力する人材教育ビジネスが全体を牽引した。好決算を手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金が攻勢をかけている。

■FRONTEO <2158>  960円  +18 円 (+1.9%)  本日終値

 FRONTEO<2158>が4営業日ぶりに反発している。同社はきょう、日華化学<4463>と化粧品領域における新規標的探索を目的とする共創プロジェクトを開始したと発表。これが材料視されているようだ。このプロジェクトは、日本人の毛髪・頭皮・皮膚についての豊富な知見を持つ日華化学と、創薬と人工知能(AI)に精通し、新規性の高い標的分子の発見とそのメカニズムを示す仮説生成に強みを持つフロンテオが、両社の知見と技術を融合させ、日華化学の製品領域における各種症状に関連する標的分子の探索と、症状発生のメカニズムや新たな改善アプローチの解明に取り組むもの。プロジェクトではフロンテオのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」が活用されるという。

■バンナムHD <7832>  4,989円  +81 円 (+1.7%)  本日終値

 バンダイナムコホールディングス<7832>が後場に動意づき、前日比で一時5%を超す上昇となった。同社はきょう午前11時30分、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算の発表にあわせて、9月中間期の業績予想の修正を発表した。売上高を従来予想の5950億円から6050億円(前年同期比1.0%減)、最終利益を540億円から650億円(同19.5%減)に引き上げており、これを好感した買いが入ったようだ。ガンダム関連の売り上げが伸長した4~6月期の実績に加え、第2四半期の商品・サービスのマーケティング計画なども踏まえて修正した。通期業績予想は見直しておらず、第3四半期以降における大型タイトルをはじめとする商品・サービスの販売動向や年末年始の大型商戦の状況などを踏まえたうえで精査する。4~6月期は売上高が3004億3000万円(前年同期比7.1%増)、最終利益が383億2900万円(同12.6%増)になった。 株探ニュース

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