「中道新党」 高市解散が大乱を呼ぶ 立憲+公明「中道新党」の衝撃 全舞台裏 政界再編の序章か

国会議事堂=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 想定外の高市首相の解散劇。自民党内外から悪評が聞こえ「自己都合解散」と称されるほどだ。一方で、立憲民主党と公明党の“サプライズ新党”「中道改革連合」(略称=中道)。両党それぞれの思惑はありそうだが、政界再編の序章となる可能性を秘めている。(ジャーナリスト 鈴木哲夫)

水面下で動いた「あの2人」

 多くの人が予測していなかったであろう、高市早苗首相の通常国会の冒頭解散。

 しかし、である。驚きはそこで終わらなかった。解散・総選挙へ向けて、なんと立憲民主党と公明党が新党「中道改革連合」を結成。当事者以外、これまた永田町ではほとんど誰も予測できなかったはずだ。

 1月15日。立憲と公明は党首会談で新党結成について、以下のように合意した。

「公明党と新党をつくって戦っていこうという合意ができた。中道勢力を政治のど真ん中に位置付けられるチャンス」(立憲・野田佳彦代表)

「政治の右傾化が見られる中で、中道勢力を結集することが重要だ」(公明・斉藤鉄夫代表)

 両者は1月12日、都内のホテルで会談。高市首相が解散を検討していると報じられたことに対して、「大義がない」「高市首相は経済対策最優先と言いながら、解散すれば新年度予算の成立が遅れる」などと意見が一致した。そして、総選挙へ向けて選挙協力を検討していくことを確認した。

 ところが、こうした発言に私が引っかかったのは、この会談後の野田代表のぶら下がり会見だった。

「より高いレベルでの選挙協力を検討する」

 野田氏があえて「より高いレベル」と言った理由は、一体、どんな意味なのか。すぐに私は、立憲幹部の一人に聞いた。

「単なるバーターではなく、例えば比例の統一名簿などをつくって立憲と公明が結束し有効な協力をするのでは」との答えが返ってきた。

「統一名簿方式」とは、比例代表でいくつかの政党が一つの政治団体を結成して、それぞれの公認候補者を同じ比例名簿に載せることだ。例えば、立憲と公明が解党することなく「○○」と政治団体を名乗って、一つの党のような形で名簿を一本化する。立憲、公明のそれぞれの比例票を足せば、多くの比例当選者を出せるというわけだ。

 1月14日。立憲の中堅議員からメールでこんな情報が入った。

「明日15日に両院議員総会が開かれることになった。公明党の選挙協力を詰めるようだ」ということだった。

 すぐに公明幹部にも取材した。すると……。

「うちも明日(15日)午前中に中央幹事会、その後両院議員懇談会をやる」

 ―立憲との選挙協力の形について統一名簿でいくことを決めるのか。

「……(沈黙)。いろんな形があると思うので、手順を踏んで議論する」

 この幹部とは、日ごろからかなり深く取材している間柄だ。「……」と言い淀(よど)んだのが気になった。選挙協力がうまくいかないのか。いや逆だった。14日夕方、前出の立憲議員から再びメールが入った。

「うちと公明で新党結成する。明日(の両院議員総会)はその説明と意見聴取だ」

「中道保守政治家」を新党に誘う

 新党結成? その電撃的な言葉は衝撃だった。その後、確認の電話やメールに追われた。公明のベテラン議員はこう話した。

「新党だ。スピーディーにそして覚悟をもって進めてきた。学会(=創価学会、公明の最大支援団体)から昨日、正式に立憲との新党を容認するという返事が来た。そもそも学会と連合(=日本労働組合総連合会、立憲の支援団体)もパイプがあるから話はうまくいった。あす党首会談のあと、正式に発表する」

 立憲の元幹部も言う。

「“より高いレベル”と言うのは新党のことだ。公明が自民と決別した直後から“両党は合流できるかどうか”を極秘裏に詰め…

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