三菱自動車、新型「デリカミニ」発表に合わせ中村達夫副社長が会見 「軽自動車の既成概念を破壊するクルマ」
三菱自動車工業は9月18日、スーパーハイトワゴンタイプの新型軽乗用車「デリカミニ」を10月29日に発売すると発表した。この発表に合わせて、三菱自動車工業 代表執行役副社長(営業担当)の中村達夫氏が報道陣の取材に応じた。
新型デリカミニのグレードについては、ターボエンジン車の「T」、自然吸気エンジン車の「G」を基本とし、それぞれに上質な装備を持つ「T Premium」「G Premium」を、さらに新グレードとしてT/G Premiumをベースとした「T Premium DELIMARU Package」「G Premium DELIMARU Package」を設定。価格は196万4600円~290万7300円となる。
なお、余談ではあるが今回新設定された「DELIMARU Package」グレードについて、デリカミニのキャラクターである「デリ丸。」からネーミングされたものだと思っていたが、広報部に確認したところ「デリカミニまるっとパッケージ」の略称であることが判明した。「DELIMARU Package」ではGoogle搭載インフォテイメントシステム(12.3インチHDディスプレイ)、3Dマルチアラウンドモニター移動物検知機能[MOD]、デジタルルームミラー、前後ドライブレコーダー、ビルトインETC2.0ユニットなどが標準装備されており、確かに必要な装備がまるっと与えられている。なるほど。
さて、中村副社長は今回登場した新型デリカミニについて、「非常に重要な戦略的な役割を担っている」と語る。これは「100年に一度の自動車産業革命」とも言われる現代において、厳しい環境の中でも同社が持続的な成長をしていくためにはしっかりと収益を拡大していかなければならず、人材を確保していかなくてはならない。そのために2030年に向けて販売規模を現状の1.5倍にしていきたいとの目標が述べられた。
その1.5倍に向け、三菱自動車として取りこぼしてている30代~40代のファミリー層、女性ユーザーにしっかり認知してもらい、ひいては購入の選択肢の1つに挙げてもらうことが非常に重要だと述べる。その観点からデリカミニは30代~40代の女性ユーザーから好評を博しており、「まさに三菱自動車らしいラインアップの入口となる大変重要なクルマ」と位置付けた。
そうした新型デリカミニの魅力をひと言で語ると「軽自動車の既成概念を破壊するクルマ」と中村副社長は言い、「私自身、今アウトランダーPHEVの2025モデルに乗っていますが、今回新型デリカミニに試乗してみて、僕のクルマについているドライブモードセレクターがあったりとか、フロントガラスにアウトランダーと同じ遮音フィルムが貼ってあって静かだなとか、乗り心地がすごくよくて何でだろうと思うとカヤバ製のショックアブソーバー『Prosmooth(プロスムース)』が装着されていたりと、いろいろなところに軽自動車の枠を超える、既成概念を破壊するような装備が施されている。私自身、岡崎の高速周回路だとか、あるいは悪路だとかを走行しましたが、アウトランダーPHEVから乗り換えてもいいなと思うぐらいの静粛性、あるいは乗り心地の良さ、悪路走破性というのを兼ね備えたのがこの新型デリカミニだと感じております」とアピールした。
なお、新型デリカミニの発売は「Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー)」の初日と重なっているが、それまでに1万3000台の受注を目指していることが明かされた。現時点で4000台超えの受注が入っており、その7割以上が「DELIMARU Package」を選択しているとのこと。新型デリカミニの最上位グレード「T Premium DELIMARU Package」になると290万7300円というプライスとなるが、「少しお高いですが内容は充実していまして、7割以上のお客さまが『DELIMARU Package』をお選びいただいている。そういう意味ではお客さまには納得していただいていると思います」とコメントした。