100歳の母を殺した長男（79）、近隣住民が目撃していた素顔 「あいさつも会話も拒否している感じ」

　男は79歳の渡部眞人。同居する100歳の母親、まさこさんの口を手でふさぐなどして殺害し、警視庁に殺人容疑で逮捕された。 　事件が起きたのは東京の南西部、町田市の閑静な住宅街で、 「発覚は11月25日の午後2時過ぎでした」 　と、社会部デスク。 「渡部容疑者自ら“介護に疲れて殺した”と110番通報しています。その1時間前に2階建て住宅の1階でまさこさんを手にかけたとされ、“自分の体調が悪く、自分が死んだら介護はどうなるか不安だった”との主旨の供述もしている」（同） 　長男の渡部容疑者はまさこさんと長らく二人暮らしをしており、 「近所付き合いはありませんでした。かといって、警察に連絡が行くような家庭内や近隣とのトラブルもなかった。まさこさんは1階の介護ベッドに寝たきりで、入浴などの介護サービスを週に2〜3回利用していたものの、基本的には渡部容疑者が身の回りの世話を続けていました」（同） 　老老介護の末に起きた悲惨な殺人事件。その過程を目にしていた近隣住民は少なくない。

　毎日と言っていいほど息子さんを見かけました、と近隣に住む男性が話す。 「いつも、歩いて10分弱のスーパーへ通っていましてね。で、日用品やおむつなんかの介護用品が入ったビニール袋を両手にぶら下げて帰ってくる。でも、背中を丸めて地面を見つめるような歩き方をするのであいさつも会話も拒否している感じです。実際の身長は170センチほどでしょうか、結構大きいのに、もっと小さく見えました」 　男性がまさこさんを最後に見たのは20年近く前だといい、 「ちょうど同じ頃彼女は寝たきりになり、その前後に彼女の旦那さん、つまり息子さんの父親が亡くなったようです。息子さんには弟と妹がいたと思うんですけど、親類も含め、介護の手伝いなどで訪れる様子はなかったですね」（同） 　別の近隣住民によると、 「渡部さんのお宅の前を通ると、お母さんが好きだったのか、1階から時代劇の音が聞こえることがありました。ほかには、渡部さんが“なあに？”と優しくお母さんに語りかける声が聞こえることも。15年ぐらい前、道端で渡部さんに“介護、大変だね”と話しかけたら“そうなんです”と応じてくれましてね。この会話をしたとき、昔のことを思い出しましたよ」

新潮社