大人になるとなぜ「友達づくり」が難しくなる? SNS時代に再注目される“第三の居場所”とは

大人になるとなぜ「友達づくり」が難しくなる?

大人になると、友達をつくるのが急に難しくなる。学生時代には、教室へ行けばいつも同じ人がいた。授業の前後に話したり、一緒に昼食を食べたり、特に約束をしなくても何度も顔を合わせたりする。その積み重ねをすることで、いつの間にか友達ができていた。ところが、学校を卒業すると、そうした環境は少なくなる。リモートワークが広がり、職場で毎日同じ人と顔を合わせるとも限らない。SNSを開けばいつでも誰かの近況を知ることはできるが、画面の向こうの「つながり」と、実際に誰かと時間を過ごすことは同じではない。だからといって、「友達をつくろう」とイベントに参加したり、知らない人へ話しかけたりするのは、それなりに勇気がいる。こうしたなか、海外では、自宅でも職場でもない「Third Space(サードスペース)」が改めて注目されている。かつてはカフェやバーなどが代表例だったが、近年ではランニングクラブやウェルネス施設など、その形も広がりつつある。

なぜ今、人々はこうした場所に集まるのか。サードスペースの広がりを追うと、デジタル時代に変化する人とのつながり方と、そこから生まれる新たなビジネスの可能性が見えてくる。


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そして、この変化は新しいビジネスにもつながり始めている。Forbesの記事では、ウェルネスだけでなく、音楽やカルチャーの領域にもサードスペース的な発想が広がっていることが紹介されている。アーティストのPrincess Nokia(プリンセス・ノキア)氏は、一般的なリスニングパーティーではなく、参加者が一緒にコラージュ作品をつくりながら新曲を聴くイベントを開催した。「音楽を聴く」だけではなく、同じ空間で体験を共有する理由をつくったのである。こうした事例からは、企業やブランドが提供できる価値の広がりも見えてくる。サードスペースという視点に立てば、商品やコンテンツそのものだけでなく、人が集まり、同じ体験を共有し、交流できる「場」も価値の一つになり得る。「ここに来れば誰かがいる」「また来れば、知っている顔が増えていく」という感覚そのものが、サービスの価値になり得るのだ。Forbesも、コミュニティが継続的な関係を生むためには、単発のイベントとして演出するのではなく、「また戻ってくる理由」として設計することが重要だと指摘している。

商品を売るだけではなく、人が繰り返し訪れたくなる場所をつくる。これからの店舗や対面型サービスにとって、「コミュニティをどう設計するか」は、ますます重要なテーマになっていきそうだ。


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サードスペースは、決して新しく生まれた概念ではない。アメリカの経済メディアForbesは、社会学者のRay Oldenburg(レイ・オルデンバーグ)氏が提唱した、自宅でも職場でもない、人々が気軽に集まれる「第三の居場所」という考え方を「サードスペース」として紹介している。カフェや理髪店、街角のバーなど、地域の人たちが自然に顔を合わせてきた場所がその代表例だ。サードスペースの特徴は、単に「自宅と職場以外の場所」であることだけではない。何度も訪れることができ、顔見知りができ、そこにいること自体に大きな目的を必要としない。サードスペースには、人間関係を「つくろう」としなくても、繰り返し同じ空間を共有するうちに関係が生まれていくという特徴がある。そして今、以前からあるサードスペースの概念が、新たな形で注目されている。

現代のサードスペースは、必ずしもカフェや公園のような固定された「場所」とは限らない。定期的に同じ活動をするコミュニティそのものが、サードスペースの役割を果たし始めているのである。

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