中国の婚姻数が過去最低記録、2割減少-人口動態の危機打開遠のく
Bloomberg News
- 2024年の婚姻数は610万組に減る- 13年に記録したピークの半分未満
- 婚姻数はこの10年間ほぼ一貫して減少-19年には年1000万組割り込む
中国の昨年の婚姻数は2割減少し、過去最低を記録した。人口動態危機は中国経済を脅かす恐れがあるが、今回の統計は危機打開に向けた政府の取り組みにとって後退だ。
中国民政省が8日発表した統計によると、2024年の婚姻数は610万組に減少。前年は、新型コロナウイルス流行拡大収束を受け、約770万組に増えていた。昨年の婚姻数は公式統計を取り始めた1986年以降最少で、 13年に記録したピークの半分にも満たない。
人口14億人の中国で、より多くの国民に結婚を促進できていないことは、出生率急低下に歯止めをかけるのに苦慮する政府の試練を示す。通常、新生児登録には婚姻証明書が必要だ。もっとも、一部地域では未婚のひとり親・カップルが既婚者と同じ権利を得られるよう、この要件を廃止する動きもある。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、エイダ・リー氏はリポートで「結婚は高額な費用や景気不振、伝統的な結婚を巡る考え方の変化に伴い、特に若年層で人気がなくなっている」と指摘した。
婚姻数はこの10年間、ほぼ一貫して減少しており、2019年には年1000万組を割り込んだ。習近平国家主席は昨年10月の演説で、結婚、出産、家族に対する考え方の形成で若年層をより強力に指導するよう呼びかけた。
原題:China Marriages Fall to Record Low as Demographic Crisis Deepens(抜粋)
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