NVIDIAが100万円超えの超絶ハイスペGPU「RTX Pro 6000」を発表
プロ向けGPUは新時代へ。
生成AI時代の核となるGPUは、正に日進月歩で進化を続けています。中でもその先頭を走るNVIDIA(エヌビディア)の動向は、世界の先端と言っても過言ではありません。そんなNVIDIAから、プロ向けそしてサーバー市場向けに設計された新型GPUシリーズ RTX PRO 6000 “Blackwell”が発表されました。
現時点でわかっているスペックから、価格、誰にとってのGPUになるのかを見ていくことにしましょう。
主なスペックと特徴
ひとまずスペックは以下の通り…
アーキテクチャ: Blackwell 2.0(TSMC 5nmプロセス)
CUDAコア数: 24,064(RTX 5090の21,760を11%上回る)
メモリ: 96GB GDDR7 ECCメモリ(512ビットバス / 28Gbpsの転送速度 / 最大1.8TB/sの帯域幅)
演算性能:
FP32:115.8 TFLOPS / AI処理性能:4,000 TOPS(Tensorコアベース)
コア構成:
Tensorコア:752 / レイトレーシングコア:188
消費電力(TBP):最大600W(16ピン 12V-2x6 電源対応)
注目すべきは96GB GDDR7 ECCメモリ、そしてCUDAコア数24,064です。
CUDAコアは、NVIDIAのGPUに搭載されている、並列処理を行う小さな計算ユニットのことです。
CUDAコアはその中で例えば… 画像や映像の描画計算、ゲームの物理演算(爆発・動き・反射など)などの高度で大量な計算を、高速に並列で処理してくれます。
それが世界では類を見ないほど大容量搭載されていることにまず驚きです。その転送速度も28Gbps、最大1.8TB/sの帯域幅を実現していること。プロ向けGPUで、ここまでAI推論性能にフォーカスされた構成は珍しく、高性能な計算用PCとAIを1枚のGPUでカバーできているのが、このGPUの強みになっています。
ラップトップ向けも
Image: NVIDIARTX PRO 6000 Blackwellには、Max-Q(マックス・キュー)バージョンが用意されています。
Max-Qは、NVIDIAがノートPC向けに最適化した省電力設計のGPUブランドです。 NVIDIAはMax-Qバージョンでノート型ワークステーションにも展開を予定しています。その場合、TDP(熱設計電力)は300Wに抑えた調整、筐体設計に配慮した設計が行なわれるようです。コンパクトな筐体で外出先でパワフルに使いたいユーザーには、かなり朗報ではないでしょうか。
予想される価格
価格は約1万〜1万5000ドル(約150万円〜約225万円)と見込まれています。対象ユーザーは異なりますが、同じBlackwell アーキテクチャを使用しているRTX 5090が約40万円で販売されていることと比べると、今回のGPU RTX PRO 6000 Blackwellがいかに高性能かがわかると思います。
用途や想定ユーザーは誰?
ラップトップ向けのMax-Qバージョンであれば、外出先でゴリゴリ重いデータを動かしたいクリエイターにおすすめできそうです。動画編集、VFX、3DCG、建築設計、CAD、AIモデリングなどで強い力を発揮できそう。
フルパワー版のRTX PRO 6000 Blackwellは、グラフィックス、AI、3Dレンダリング、科学計算、機械学習などの高度な業務用途に向けた、かつてないレベルの処理能力と安定性が約束されているので、VFX、映像制作スタジオ、CADなどのエンジニアリング分野、AI、機械学習、 ディープラーニングとプロユースに耐えうる存在となりそうです。
CUDAコア数2万4064基、96GBのGDDR7 ECCメモリ、最大600Wの消費電力を誇るこのGPUは、ワークステーションとHPC分野の新たな基準を打ち立てる存在になりそうです。
Source: The Verge, Turtle's AI, NVIDIA