トランプ氏の暗号資産企業、7日主催の会合前にトークン購入-データ
トランプ米大統領の分散型金融(DeFi)プロジェクト「ワールド・リバティー・ファイナンシャル(WLF)」は、イーサを含め2000万ドル(約29億5000万円)余りに相当する暗号資産(仮想通貨)を購入したことが、分析会社のデータに示された。ホワイトハウスでは7日、主要なデジタル資産会社の経営幹部が結集し、政府の政策を協議する。
ブロックチェーン分析会社のナンセンがまとめたデータによると、WLFのデジタルウォレットには1010万ドル相当のイーサをはじめ、ビットコインデリバティブ(派生商品)のWBTC990万ドル相当、ブロックチェーンのムーブメントに関連するトークンのMOVE168万ドル相当が加えられた。WLFにコメントを求めたが返信はない。この動きはデジタル資産情報サービスのザ・ブロックが先に伝えていた。
暗闘資産トラッカーのコインゲッコーによれば、イーサの価格はこの1日で2.7%上昇。MOVEの値上がりは20%を超えた。
WLFは昨年9月、分散型金融として発表された。分散型金融は中央の管理者を置かずにブロックチェーン技術を活用し、暗号資産の貸し付けや取引を行うプラットフォーム。WLFはまだサービスの提供を始めていない。
トランプ大統領を筆頭に息子のドナルド・ジュニア氏、エリック・トランプ氏らトランプ一族は、ソーシャルメディアや公の場でこのプロジェクトを積極的に宣伝している。このプロジェクトの共同創業者にはウィットコフ中東担当特使とその息子のザック・ウィットコフ氏も含まれる。
別の共同創業者、チェイス・へロー氏は6日のスピーチで、WLFは独自の「戦略準備」を構築する計画だと述べた。
7日にホワイトハウスで開かれるデジタル資産大手の経営幹部会合は、業界の関心を集めている。
トランプ大統領は2日、暗号資産の戦略備蓄を推進する計画をソーシャルメディアで明らかにし、ビットコイン以外も準備に含める考えを示した。これを受けてビットコインとイーサ以外にも、知名度の低いリップルやソラナ、カルダノも大きく上昇。しかし翌日には戦略準備に対する楽観が懐疑論に転じ、これらの暗号資産の買いは失速。上昇幅の大半を失った。
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原題:Trump’s Crypto Project Appears to Buy Tokens Ahead of DC Summit(抜粋)