4億年周期で天の川銀河を"駆け抜ける"連星現在は中心から秒速406kmで去る途中【今日の宇宙画像】

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。（文末に元記事へのリンクがあります）

(引用元：sorae 宇宙へのポータルサイト)

こちらは、約246光年先に位置する連星「VVV 1256-62AB」の想像図です。

左奥は年老いた白色矮星「VVV 1256-62A」で、右手前は準矮星「VVV 1256-62B」です。2つの星の間隔はおよそ1400天文単位で、お互いを1周するのに約6万年かかります。

Image Credit: Jiaxin Zhong & Zenghua Zhang
sorae - 高速で銀河を駆ける連星　銀河中心とハローを4億年周期で行ったり来たり
ESA - Gaia discovers interesting duo belonging to the Milky Way halo: an ultracool subdwarf with a white dwarf companion

天の川銀河をめぐる大冒険

この連星は、天の川銀河を細長い軌道で回っており、約4億年ごとに銀河中心へ3000光年ほどまで接近、遠ざかると最大で5〜10万光年先の“銀河ハロー”にまで達します。現在は秒速約406kmで銀河の中心から離れる方向へ進行中しているようです。

以下の動画は、連星「VVV 1256-62AB」の過去20億年（緑色）と今後20億年（紫色）の動きを示した動画。星印は現在の太陽の位置を示しています。

白色矮星は誕生した直後は10万℃以上と超高温なのですが、VVV 1256-62Aはすでに約4160℃まで冷えています。連星全体の年齢は約105億年で、そのうち白色矮星になってからだけでも約85億年が経過していると推測されます。

これほど古く温度が分かる組み合わせは珍しく、銀河の歴史や星の寿命を調べる“時間カプセル”として注目されています。

編集／sorae編集部