英、仏、カナダがイスラエル人不法入植者に制裁 「テロリストによる民族浄化」を非難

ロンドン(CNN) 英国とフランス、カナダは8日、占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のイスラエル人不法入植者に対する制裁を発表した。3カ国協調の制裁措置は、イスラエルが国際社会で孤立を深めつつある現状を浮き彫りにしている。 【映像】イスラエル人入植者、追い出し狙いパレスチナ人住宅を包囲 ヨルダン川西岸 英議会で制裁を発表したエド・ミリバンド外相は、「入植者テロリスト」がヨルダン川西岸のパレスチナ人住民に対する「民族浄化」を行っていると述べ、イスラエル人の行為を強く非難。今回の制裁について、2国間関係をリセットする措置と位置付けた。 英国のアンディ・バーナム首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、カナダのマーク・カーニー首相は、共同声明でこう指摘した。「2国家解決を守り、我々の国益を守り、我々の価値観のために立ち上がるという決意を貫くため、手遅れになる前にさらなる行動を起こすべき時が来た」 「英国、フランス、カナダは、入植地からの輸入品に対する禁輸措置を講じ、入植者や入植を助長する者、あるいは入植から利益を得る者に照準を絞った措置を執行する」 この発表に合わせて西側の他の9カ国も共同書簡を公開。国際法に反する入植者との貿易に対して同様の制限を設けたり、欧州諸国による制裁措置を支援したりする方針を表明した。オマーンやカタールなど、米国と同盟を結ぶ中東の各国もこうした措置を歓迎している。 これに対してイスラエルと米国は、英国に対する報復措置も辞さない方針を表明した。米国はイスラエルにとって最重要の同盟国。 英国のミリバンド外相は、「誇り高きユダヤ人」として制裁を打ち出したと強調。「西岸において入植者テロリストがパレスチナ人の民族浄化を行っていること、イスラエル政府があまりに頻繁にそれを黙認していることを、英国政府は認識している」と述べ、入植地の拡大に反対するため今こそ「行動」しなければならないと訴えた。 英国の制裁は、ヨルダン川西岸のイスラエル人入植地からの物品の輸入を禁止する内容。制裁対象とするイスラエル人入植者を増やすとともに、建設やインフラ、金融、不動産などの分野で入植地の拡大にかかわる企業や個人に対しても措置を講じる。 「いかなる国家も、企業や銀行あるいは機関もこの違法な占領に加担したり、助長したり、利益を得たりしないことを徹底させるため、英国が欧州、英連邦、国際社会をリードする必要がある」とミリバンド外相は述べている。 英国の制裁法は通常であれば施行までに1年以上かかる。しかし今回は6~9カ月に短縮された。 イスラエルは1967年の戦争で東エルサレムとヨルダン川西岸を占領した。いずれも国際法では占領地とみなされ、イスラエル人の入植は違法とみなされている。 イスラエルのギデオン・サール外相は、今回の制裁措置を「馬鹿げた政治的決定」と呼び、「道徳的に腐敗した措置」として強く反発。英国政府がイスラエルの次期選挙に介入していると主張した。 その上で、英国に対する報復措置として、エルサレムにある英総領事館の閉鎖や支援団体などの英国人追放、英国会議員らの入国拒否などを通告した。 関係者によると、この問題に関連して英国のバーナム首相と米国のドナルド・トランプ大統領は7日に電話で会談した。共同声明の発表に対し、トランプ政権が反応する可能性もある。 米国務省のマルコ・ルビオ長官は記者団に対し、「当然ながら、英国がやったようなことはしない。今日の発表は見ているが、現時点でコメントはない」と述べ、「ヨルダン川西岸の情勢を不安定化させるようなことは望まない」と言い添えた。

CNN.co.jp
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