TOPPAN傘下のテクセンド、年内上場で時価総額3000億円目指す=関係者
8月26日、新規株式公開(IPO)を計画するTOPPANホールディングス傘下の半導体部材メーカー、テクセンドフォトマスクが上場時の時価総額3000億円を目指していることが分かった。写真は「セミコン台湾」で展示されているウエハー。2024年9月、台北で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[東京 26日 ロイター] - 新規株式公開(IPO)を計画するTOPPANホールディングス(7911.T), opens new tab傘下の半導体部材メーカー、テクセンドフォトマスクが上場時の時価総額3000億円を目指していることが分かった。上場時期は年内で、9月初旬にも金融庁に有価証券届出書を提出する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
テクセンドは半導体ウエハーに回路を転写する際に使用するフォトマスクの大手。TOPPANが2022年に会社分割して設立し、24年に現社名に変更した。今もTOPPANが株式の50.1%を、残りを国内系投資ファンドのインテグラル(5842.T), opens new tabが保有する。市場調査会社QYリサーチによると、TOPPANは半導体用フォトマスク市場で世界シェア2位につける。
同関係者らによると、テクセンドは9月下旬にも東京証券取引所から上場承認を受ける可能性があり、上場時に新株を発行するとともに、既存株式を売り出す。関係者の1人によると、インテグラルが保有株の一部を売却する見通し。
テクセンドは上場承認前に投資家と対話し、発行価格や売り出し価格を決定する「承認前提出方式(S-1方式)」を採用する。2023年10月に導入された同方式を使って上場するのは、半導体大手キオクシアホールディングス(285A.T), opens new tabに続き2例目。承認後の手続きが早まり、承認日から上場までの期間も短縮できる。
TOPPANは今年5月に上場準備を進めていると発表していたが、具体的な時期や手法は明らかにしていなかった。
ロイターはテクセンド、TOPPAN、インテグラルにコメントを求めたが、テクセンドは「株式上場に向けて準備を進めている状況」とコメントした。TOPPANは「現在、IPOの準備を進めている段階であり、具体的なスケジュールは決定していないため、回答を控える」と回答。インテグラルからのコメントは得られていない。東証はコメントを差し控えた。
同関係者らによると、BofA証券、野村証券、SMBC日興証券、モルガン・スタンレー三菱UFJ証券が共同主幹事としてIPOの工程を主導する。主幹事各社はコメントを控えた。
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