米国株式市場=上昇、CPI受けインフレ懸念が緩和

 1月15日、米国株式市場は、この日発表された2024年12月の消費者物価指数(CPI)がインフレ懸念をやや和らげる内容となったことを受け、主要株価指数が上昇した。ニューヨークで2022年2月撮影(2025年 ロイター/Caitlin Ochs)

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国株式市場は、この日発表された2024年12月の消費者物価指数(CPI)がインフレ懸念をやや和らげる内容となったことを受け、主要株価指数が上昇した。

米労働省が発表した12月CPIは前年比2.9%上昇し、伸びは前月の2.7%から加速した。一方で、エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は3.2%で前月の3.3%から若干鈍化し、物価上昇圧力が緩和されつつある兆候を示唆した。 もっと見る

前日発表の卸売物価指数(PPI)も上昇率は市場予想以下だった。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのシニア・バイス・プレジデント、スティーブン・マソッカ氏は、金利上昇懸念が強かったが、CPIとPPIの数字はインフレ再燃懸念を和らげる内容だったとの見方を示した。

主要3株価指数はいずれも昨年11月6日以来の上昇率を記録し、小型株指数であるラッセル2000(.RUT), opens new tabも1.99%上昇した。

インフレ再燃への警戒から、長期金利の指標である10年債利回りは上昇基調が続いていた。今週初めには14カ月ぶりの高水準の4.809%を記録したが、この日は4.651%まで低下した。

CPIを受け6月の米連邦準備理事会(FRB)会合では少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されるとの見方が優勢となった。

FRBがこの日公表した全国12地区の連邦準備銀行による景況報告(ベージュブック)によると、昨年11月下旬から12月にかけて経済活動は小幅増加し、 トランプ次期政権の政策を巡る影響が懸念される中、雇用は増加し、物価は緩やかに上昇した。

大手銀行の堅調な決算も相場を支援した。JPモルガン(JPM.N), opens new tabは1.97%、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N), opens new tabは6.69%、それぞれ上昇。ゴールドマン・サックス<GS.N>も6.02%高となり、 ダウ工業株指数を約214ポイント押し上げた。 シティグループは6.49%高。S&P500銀行指数は3.37%上昇した。

イスラエルとイスラム組織ハマスのパレスチナ自治区ガザでの停戦合意も市場の安堵感につながった。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄が値下がり銘柄を5.49対1で上回った。ナスダックでも3.19対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は142億6000万株、過去20日間の平均は158億1000万株だった。

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