交換留学の女子学生殺害、メキシコとスペインに衝撃 これまでに分かっていること
(CNN) スペイン人の女子学生が交換留学先のメキシコで殺害された事件を巡り、当局は女性が性別に関連する理由で殺害される「フェミニサイド」の可能性もあるとして捜査を進めている。事件を受け、両国の学術界には衝撃が走っている。 【映像】遺体入りのかばん45個見つかる メキシコ 当局によると、クラウディア・タコロンテ・アギレラさん(21)は12日、メキシコ市近郊のモレロス州クアウトラ市で武装強盗に遭い殺害された。 モレロス州検察は、連邦機関と連携して捜査を進めていると発表。フェミニサイドの可能性があるとしているが、他の動機も排除していないという。 アギレラさんは、スペインのグラナダ大学(UGR)で幼児教育を専攻しており、わずか1カ月前にモレロス州立自治大学(UAEM)の学術交流プログラムでメキシコに渡航したばかりだった。 事件を受け、アギレラさんの故郷グラン・カナリア島サンタ・ブリヒダ市議会は弔意を表明。スペインのアルバレス外相も徹底的な捜査を要求し、15日には記者団に対してスペイン当局が被害者の家族と連絡を取っていることを明らかにした。
事件は12日夜、薬用植物のフェスティバルを開催していた文化センター付近で発生した。 会場側によると、アギレラさんは刃物を持った強盗に遭い殺害されたとみられる。事件後、職員が「直ちに当局に通報した」という。 州検察官によると、アギレラさんはフェスティバルのためにセンターに一泊していたという。 事件が起きた州は、女性に対する暴力が深刻な問題となっていることで知られる。 モレロス州では、2026年1月から7月にかけてフェミニサイドによって21人が殺害された。国家公安システム事務局のデータによれば、これは当時のメキシコ国内ではシナロア州に次いで2番目に高い発生率だった。
世界保健機関(WHO)が定義する「フェミサイド」(femicide)と今回メキシコ当局が言及する「フェミニサイド」(feminicide)は英語ではしばしば同義語として使われる。しかしカナダ・ゲルフ大学のパウリナ・ガルシアデル・モラル准教授は、メキシコの文脈ではこの二つの用語に微妙な違いがあると指摘。「フェミニサイド」は犯罪につながったより広範な構造的状況に焦点を当てていると述べた。 モラル氏によると、このような事件が発生した場合、検察官、警察、法医学専門家が捜査を進める方法を定めた手順書が発動される。手順書はジェンダーの視点の活用を非常に重視する内容で、ジェンダーが暴力にどのような形で絡んでいるか、ジェンダー不平等が被害者女性の人生や容疑者との関係にどのような影響を与えたか、メキシコ、とりわけ被害者のコミュニティーにおける暴力の背景などを認識することを求めているという。