【分析】停戦をあざ笑うイラン、切望するトランプ政権(CNN.co.jp)

(CNN) 米国とイランの間で停戦中とされる時期に起きた最新の攻撃への反応は、多くを物語るものだった。 【映像】米軍、イランの「ドローン空母」を攻撃 イランは、米国によるミサイル発射施設と艦船への攻撃を重大な停戦「違反」と断じ、報復をちらつかせた。 一方の米国はイランを侵略者とみなしながらも、停戦はなお「継続中」だと強調した。 米中央軍の報道官は、イランの艦船がホルムズ海峡で「機雷を敷設しようとしていた」と非難した。それが本当だとすれば極めて挑発的な行為といえる。とりわけ今はこれまででも特に本格的とみられる和平協議が行われているからだ。だが、報道官は続けてこう述べた。「米中央軍は、停戦が続くなかで引き続き自制をもって米軍を防衛する」 この類いの反応は、お決まりのパターンになっている。 そして、トランプ政権が戦争を終わらせることをどれほど切望しているかを浮き彫りにしているこの動きこそが、米国の交渉力を損なっている。 直近の事例は、米軍が25日にホルムズ海峡付近のミサイル発射基地と艦船を標的とした「自衛のための攻撃」と称するものに関わる。同日遅く、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は「米国のドローン(無人機)を撃墜し、米国のドローンと戦闘機を退避させた」と発表。これを「報復措置」と表現した。 しかし、イランの対応が挑発的であった一方で、米国はそれほど強くでなかった。 米中央軍が停戦は「継続中」だと強調したことに加え、インド訪問中のルビオ国務長官は攻撃について問われた際、2度にわたってそれ自体への明言を避けた。1度目は和平交渉について広く言及し、2度目はホルムズ海峡開放の必要性について語ったのだ。 この状況は、5月上旬の二つの出来事を思い起こさせる。 一つ目の出来事では、ケイン統合参謀本部議長が、イランが商船に9回発砲し、コンテナ船2隻を拿捕(だほ)したほか、米軍に「10回を超える」攻撃を行ったと説明した。だがケイン氏はすぐに、それらはすべて「現時点で大規模な戦闘作戦を再開する基準には達していない」「低レベルのキネティック攻撃」だとしてトーンを軟化させた。 記者団から停戦は終わったのかと問われたヘグセス国防長官は、終わっていないと強調した。 ヘグセス氏はある時点で、海峡で起きていることをより広範な戦争とは別物として捉えているようでもあった。そしてイランに対しては「分別を持ち」、軍事行動が停戦違反の「基準」を越えないよう求めた。 その数日後、米国はホルムズ海峡で米軍艦を攻撃したとされる軍事施設を攻撃した。 だが、トランプ大統領はまたしてもそれを軽くあしらった。 トランプ氏は5月上旬、ABCニュースに対し「停戦は続いている。有効だ」と語り、米国による攻撃を「単なる愛情表現」と表現した。 今日と同じように、トランプ政権が停戦は保たれていると国民に強調する一方で、イランは停戦違反だと主張し、「報復」とする攻撃で応じた。 さらに、停戦違反となり得る最大の問題はイランがホルムズ海峡を閉鎖し続けていることだろう。 トランプ氏が4月7日に停戦を発表した際、停戦はイランが海峡を再開する限りでのみ継続すると明言していた。 トランプ氏はSNSで「イラン・イスラム共和国がホルムズ海峡の完全、即時かつ安全な開放に同意することを条件に、イランへの爆撃と攻撃を2週間停止することに同意する」と述べた。 知ってのとおり、「完全、即時の」海峡再開は実現しなかった。政権はその後数日間、事態を好意的に捉えようとし、海峡再開に向けた進展とされるものに言及した。だが、停戦から7週間が過ぎた今でも海峡には船舶が滞留したままだ。 停戦を維持しようと試み、イランの挑発を軽視することで、トランプ政権は戦争再開をなんとしても避け、合意にこぎつけたいという熱意をさらけ出している。 その点で、トランプ氏は何度も警告を発しながらも、イランに対し自ら設けた合意期限を再三無視し、大規模な敵対行為の再開を見送ってきた。 そして、その姿勢こそが同氏の交渉上の立場を弱めている。イランは、戦争終結を急いでいるのは自国よりもトランプ氏だと踏んでいるように見える。 最新の攻撃に対する双方の反応の違いは、その見方を裏付けるばかりだ。 ◇ 本稿はCNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事です。

CNN.co.jp
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