自主的に出国すれば1000ドル支給、トランプ政権が移民送還で新制度
Hadriana Lowenkron
- 国土安全保障省、送還にかかるコストは新制度で約70%削減と推計
- 新制度の利用は始まっており、すでにホンジュラスに1人が帰国
トランプ政権は米国から自主的に退去することに同意した非正規移民に対し、1000ドル(約14万4000円)と渡航費を提供する方針を打ち出した。大規模な送還を加速させる一方で強制執行コストを削減するための最新の取り組みとなる。
国土安全保障省によると、「CBPホーム」アプリを使って自主的に国外退去した移民は、本国への帰国が確認された時点でこうした支給を受けられる。当局者はこのプログラムについて、コストのかかる逮捕や強制送還に代わる効率的な手法だと位置づけている。
ノーム国土安全保障長官は声明で「不法滞在している場合、逮捕を避ける最善かつ最も安全で経済的な出国方法が自主的な退去だ」と述べた。
この取り組みは、当局による強制送還の方針転換を浮き彫りにする。国土安全保障省は約2カ月前、「今すぐ立ち去れ。さもなくばわれわれが見つけ出し、強制送還する」とノーム長官が語る広告キャンペーンを展開していた。
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国土安全保障省は、新たな支払い分を含めても、今回のプログラムによって送還にかかるコストを約70%削減できると見込んでいる。逮捕、拘束、強制送還という従来の手法では、1人当たり約1万7000ドルの国費が必要になると同省は推計している。
新制度の利用は始まっており、すでにシカゴからホンジュラスに1人が帰国したほか、今週および来週にはさらに複数の自主出国が予定されているという。
原題:Trump Administration Offers Migrants $1,000 to Voluntarily Leave(抜粋)
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