阮朝時代の玉座のひじ掛け壊す、男を拘束 ベトナム
(CNN) ベトナムの警察は24日、「国宝」とされる阮朝時代の玉座のひじ掛けを壊したとして、男を拘束した。ベトナム国営メディアが伝えた。
玉座は、1802年から1945年まで続いたベトナム最後の王朝である阮朝にさかのぼる。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)によれば、阮朝はベトナムを支配していた当時、中部にあるフエを首都としていた。フエにある建造物はユネスコの世界遺産に登録されている。建造物群の中には王宮や儀式の場、陵墓などが含まれる。
ベトナムニュースによれば、壊された玉座はフエの太和殿にあった。太和殿は、会議や王室の儀式が行われた市内で「最も重要な建造物」。
ベトナムニュースによれば、現地時間の正午過ぎ、「重度の酩酊(めいてい)状態」の兆候を示す男が宮殿のロープで囲まれた立ち入り禁止の区画に侵入して玉座にのぼった。男はその後、「支離滅裂な叫び声」を上げ、儀式用の椅子の左のひじ掛けを破壊したという。
玉座は太和殿の中にあった/VW Pics/Universal Images Group/Getty Images
ベトナム共産党機関紙ニャンザンに掲載された写真には、竜の頭をあしらったひじ掛けの一部が床に転がっている様子が写っている。その横には、ひじ掛けの破片がほかに二つ散らばっていた。
ベトナムニュースによれば、玉座を破壊した男は「妄想や支離滅裂な発言」など「不安定な精神状態」を受けて精神鑑定のために搬送された。
ベトナムニュースによれば、「遺物と国宝の保護に重点を置き」、建造物群全体で警備が強化された。