“勝手に樹木伐採”初公判 中国人被告「日本国籍を取得したい」と情状酌量を求める

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 山梨県の河口湖で富士山の眺めを遮る樹木が、所有者に無断で伐採された事件です。逮捕・起訴された中国人のホテル経営者は初公判で起訴内容を認めたうえで、日本国籍を取得したいと情状酌量を求めました。

初公判…中国人被告「全責任は私に」

 2020年に山梨県の河口湖畔に開業した「雲ノ上富士ホテル」。その2年後、ホテルから見える富士山の絶景を遮っていた、隣の敷地の樹木が所有者に無断で伐採されました。

 実行役に犯行を指示したのは、ホテルを経営していた「秋山雅治」こと中国国籍の郭亜川被告(53)です。8日、甲府地裁で開かれた初公判。黒いスーツ姿で現れた郭被告は犯行をすべて認めました。

「すべての責任は私にある。一時的な衝動で判断を間違えてしまった」

 裁判中、郭被告が証言台に立った女性と見つめ合い、2人同時にうなずく瞬間がありました。郭被告の妻です。

郭被告の妻 「コロナで収入が減り、夫はホテルの経営が苦しいことにストレスを感じていました。夫は心から責任を感じています」

 弁護側は、予期せぬ経営悪化で「行き詰まった感情になった」と擁護。「同情の余地がある」として、執行猶予付きの判決、または罰金刑を求めました。

郭被告 「今年、娘は日本の大学を受験します。私も家族も日本国籍を取得したい。今回のことで影響がないようにしたい」

 一方で、検察側は懲役1年の実刑を求刑しました。

検察側 「犯行は大胆かつ悪質で、発覚を遅らせるために枝を回収させています」

 証拠採用されたホテルの防犯カメラ映像です。枝が切り落とされた後、枝を回収している瞬間も映っています。

 郭被告は車から出ると小走りで実行役に近づき、厚みのある封筒のようなものを渡しました。裁判では伐採費用など130万円が報酬として支払われたことも分かりました。 

被害を受けた企業担当者 「穴が開いているんですけど、こうやってカムフラージュして詰め物で隠してある。抜くと穴が出てくる。偽装工作といいますか」

 スマートフォンには、郭被告が実行役に対して穴を忘れずにふさいだのか確認する音声データも残されていました。

 検察側は「海外逃亡」にも苦言を呈しました。

検察側 「香港へ出国して逃亡を図り、犯行後の経緯を見ても芳しくない」

 去年9月、郭被告は実行役が逮捕された次の日に香港へ出国。年末に時効が迫るなか、香港から被害者側に示談を申し入れ、逮捕を免れようとしていました。 

検察 「即座に帰国して処分を受けないといけないと思わなかったのか」
郭被告 「当時、相手の会社と示談すれば処罰が軽くなると思った」

 しかし示談は見いだせず、警察に連絡をしたうえで帰国。出国から7カ月経っての逮捕でした。被害者側に受け取ってもらえなかった2000万円の示談金は、供託金として納めたといいます。

郭被告 「2度と日本の法律を違反しないと誓います」

 来月18日に言い渡される判決を前に、被害を受けた企業担当者は…。

「恐ろしさを感じているので、隣人としてお付き合いするのは、もうこれは無理ですね。実刑になって日本から出ていくという判断がされることを望んでいる」

(「グッド!モーニング」2025年7月12日放送分より)


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