イランと共同でホルムズ海峡を封鎖すれば「爆破する」 トランプがオマーンを威嚇した理由 #エキスパートトピ
米トランプ大統領は5月27日、「イランとオマーンによるホルムズ海峡の支配を認めるような取引をできるか?…オマーンが他の国と同じようにしなければ爆破しなければならない」と述べた。
その直前イラン国営放送は米国との非公式の覚書を入手したとして、そのなかにホルムズ海峡の船舶通過についてのイランの管理も含まれると報じた。
トランプはこれを否定したうえでオマーン批判を展開したのだ。その背景にはホルムズ海峡の共同管理をオマーンと協議中というイランの主張がある。
ただし多くの専門家はこのイランの主張そのものを疑問視している。
ココがポイント
The Strait is going to be open to everybody.
イラン国営テレビは27日、両国が調整している覚書の枠組みに関する非公式の草案を入手したと伝えました。出典:ABEMA TIMES 2026/5/28(木)
イランはホルムズ海峡の通航を監視するため、オマーンと協定案を策定している。国営イラン通信(IRNA)が(中略)報じた。出典:Bloomberg 2026/4/2(木)
In Oman itself, however, this idea is viewed with skepticism出典:dw.com 2026/5/29(金)
エキスパートの補足・見解
イランは4月初旬からホルムズ海峡の管理についてオマーンと協議中と発表してきた。これは「イランが孤立していない」というメッセージになる。
しかしオマーンは公式にはこれを認めておらず、多くの専門家も疑問視している。信用調査会社ミドル・イースト・マインドの創設者ステファン・ルーカス氏はドイツメディアにイランの主張が「共同管理はオマーン政府に全く利益がない」と述べる。
ペルシャ湾岸諸国のなかでも小国に属するオマーンは他の国以上に安定した取引を重視しており、イランとホルムズ海峡の共同管理をしても得るものは少ない。さらにオマーンは中立的な外交が持ち味で、イラン戦争開戦まで米国とイランの核協議の仲介役でもあった。
トランプ政権は2月末、その核協議を一方的に放棄して攻撃を開始しただけでなく、真偽の疑わしいイランの言い分にのっとってオマーンを威嚇したことになる。
フリードリヒ・エーベルト財団のマーカス・シュナイダー博士は実際にオマーン攻撃が発生するとは考えにくいと述べ、トランプによる威嚇を行き詰まった状況へのフラストレーションの表れと指摘する。
しかしその「八つ当たり」は中東における米国への不信感をさらに高めかねないといえるだろう。