【#佐藤優のシン世界地図探索146】トランプ大統領の「ベネズエラオーナーチェンジ作戦」(週プレNEWS)

ロシア・ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく! *  *  * ――トランプのベネズエラ奇襲、ニコラス・マドゥロ大統領捕縛作戦はどうみていますか? 佐藤 あれは、居抜き物件のオーナーチェンジ作戦です。オーナーを変えて、副店長を店長に昇格させて「OK、問題なし」ということです。 ――ベネズエラの大統領になった元副大統領デルシー・ロドリゲスの裏切りですか? 最近、佐藤さんが凝っている韓非子の言葉に、「損得で行動するとき、それで誰が最も得をするかを見れば真実が見えてくる」というような言葉がありますが......。 佐藤 裏切りではなく、現実的な対応ですね。 ――現実的とは? 佐藤 ロドリゲス大統領代行は、トランプさんと一蓮托生なんですよ。 あの襲撃において、大統領警護隊は抵抗しましたが、秘密警察も軍も全然動きませんでした。それでいて、翌日から治安が維持され、戦車が走っていました。「みんなでアメリカに協力しよう」という雰囲気でした。 ――キューバ情報機関が派遣していた選りすぐりのボディーガードだけが、人身御供となったと。 佐藤 そうです。そしてロドリゲスさんは「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び......」といった立場になっています。ただ、石油利権に関してアメリカが介入してきますが、おこぼれはもらえます。ベネズエラ国民もいまよりも豊かになるわけですね。 本来であれば、人権弾圧などさまざまな罪状で、ロドリゲスさんやその仲間は死刑か終身刑を免れない立場です。ところが、そうした現実はナシにして、「居抜きでオーナーチェンジできればOK、問題なし」という結果となりました。ロドリゲス政権が反対勢力など全部潰しても、アメリカは文句を言いません。 このオーナーチェンジ作戦で注目なのは、トランプが一言も民主主義や自由、人権と言及していないことです。そこがトランプの強さです。

週プレNEWS
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