英地方選、イングランド各地で野党リフォームUKが躍進 スターマー氏は「責任負う」

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画像説明, ロンドンのウェストミンスター地区では夜間に開票作業が行われた(7日)

イギリスで7日、地方選挙が行われた。イングランドでは8日早朝の段階で、リフォームUKが労働党と保守党から議席を奪い、大きく躍進している。

イングランドでは136の行政機構で選挙が行われ、地方議会の合計5036議席が争われた。これは2024年の総選挙以降で最大規模の選挙で、国政与党・労働党のキア・スターマー首相にとって重要な試金石と目されている。

労働党の議席減を受け、スターマー首相は記者団に対し、結果の「責任」を負うと話した。

「結果は極めて厳しいものであり、美化することはできない」とスターマー氏は述べ、労働党が「全国各地で優秀な労働党の代表者を失った。(中略)これは痛手であり、そうあるべきだ。私はその責任を負う」とした。

また、「有権者がこのようなメッセージを送ってきた以上、我々はそれを真摯(しんし)に受け止め、対応しなければならない」と発言。

一連の経済的打撃や厳しい国際情勢など、イギリスが直面している「巨大な課題」を、国民の圧倒的多数は十分に理解しているとした。

一方で、「このような日であっても、私が約束した変革を実現するという決意は揺らぐことはない」とスターマー氏は強調。有権者は「依然として、我々が約束した変化を望んでいる」とし、「彼らは現状が期待を裏切っていることを知っており、不満を抱いている。変化を実感できていないのだ」とした。

イングランドでは地方議会選に加えて6都市で市長選が行われた。また、スコットランド議会とウェールズ議会では全議席が争われた。

大半の行政機構は夜間に開票しておらず、8日中に結果を発表する予定。

これまでの主な動きと、今後明らかになる点は次のとおりだ。

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画像説明, ハートルプールの地方議会選挙では、争われた12議席すべてをリフォームUKの候補者が獲得した(7日)

リフォームUKは現在、イングランド北部とミッドランズの、これまで労働党の支持基盤だった地域で議席を積み上げている。これにはウィガン、ボルトン、サルフォード、ハルトンが含まれる。

また、ハートルプール、テイムサイド、レディッチ、タムワースでも、リフォームUKへの支持が急伸し、労働党は地方議会の主導権を失った。

これらの地方議会で前回選挙が行われた際、リフォームUKはまだ黎明(れいめい)期にあったため、同党が過半数議席を獲得できるのは、すべての議席が争われる地域に限られる。

夜間に開票を行った大半の地方議会では、改選対象は全議席の3分の1にとどまっている。そのため、同党が各地で権力を握る機会は、8日午後以降にさらに広がる可能性がある。

リフォームUKはこの日、ニューカッスル・アンダー・ライムの地方議会の主導権を、保守党から奪った。

リフォームUKはこのほか、ブレントウッド、タムワース、ノースイースト・リンカンシャーなどでも、保守党から議席を奪って躍進した。

全体として、保守党は議席を失ったが、明るい材料もあった。ロンドンのウェストミンスターでは、同党が労働党から地方議会の主導権を奪い返した。ワンズワースでも労働党から議席を獲得し、再び第1党となった。

このロンドンの2地域は、2022年まで数十年にわたって保守党が維持してきたが、この年に労働党に奪われていた。

保守党は、これから結果が発表されるエセックス、ノーフォーク、サフォークなどの議会選挙で、引き続きリフォームUKからの脅威に直面している。

一方、サリーやサセックスを含むイングランド南部の一部では、保守党の最大の脅威となっているのは自由民主党だ。

夜間の開票結果は、自由民主党にとってはまだら模様の内容だった。

同党は、すでに最大党だったストックポートとポーツマスの地方議会でさらに労働党から議席を奪い、過半数議席を獲得した。

一方でハルでは、リフォームUKの躍進により地方議会の主導権を失った。

自由民主党は、今後の開票で最良の成果が出る可能性があるとみており、ハンプシャーやサリーで保守党から地方議会の支配権を奪うことを目指している。

イングランド・ウェールズ緑の党は夜間の開票で、サルフォード、オックスフォード、サウサンプトン、エクセターなどでいくつかの議席を獲得した。これらの地域では、労働党が地方議会の主導権を失った。

一方、同党の主要な目標はロンドンの行政機構にあり、過半数議席を獲得できる可能性が最も高いとみられているハックニーとルイシャムでの結果が待たれる。

リフォームUKも、ロンドンの地域で議席を伸ばすことを目指しており、これには郊外のブロムリーやバーキング・アンド・ダゲナムが含まれる。

同党はこのほか、サンダーランド、ゲーツヘッド、ウォルソールといった、イングランド北部やミッドランズにあるかつての労働党の強固な地盤も標的にしている。

保守党にとっては、ロンドン北部のバーネットが、労働党から奪還を狙うもう一つの主要な地方議会だ。

一方、労働党が現在、地方議会の主導権を握っているバーミンガムでは、断片化した政治状況がはっきりと示されている。

主要5党すべてが勢力を持つ一方で、世論調査では親パレスチナをうたう無所属候補への強い支持が示されていることから、結果次第では、10年以上ぶりに同市が「どの党も過半数を持たない」状態になる可能性がある。

ウェストミンスター(英議会)とウェールズ議会で100年以上にわたり最大政党であり続けてきた労働党だが、今回の選挙で、ウェールズでの支配的地位を失う可能性に直面している。

すでに複数の政党関係者がBBCに対し、ウェールズ議会で敗北する見通しだと語っている。

同議会では、現政権への失望感から、プライド・カムリ(ウェールズ党)とリフォームUKが首位を争う構図となっている。

一方、緑の党はウェールズ議会での初議席獲得を目指している。ウェールズ自由民主党は、現在の1議席からの上積みを狙っている。

保守党にとってウェールズは伝統的に強い地域ではないが、今回の選挙では相当な議席減となる見通しだ。

スコットランドでも、労働党は大幅な議席減となることが予想されており、スコットランド国民党(SNP)は前例のない5期連続の政権獲得を目指している。

現在、スコットランド議会に議席を持たないリフォームUKは、労働党と第2党の座を争っている。一方、保守党は議席を失う見通しだ。

主要政党の多数議席が分散する中で、緑の党と自由民主党の双方も、議席を伸ばすことを目指している。

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