【原因不明】26秒ごとに観測される謎の地球の脈動 60年たっても解明されない地球の鼓動とは

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脈動する地球のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

私たちが気づかないだけで、地球は「26秒に一度、規則正しく脈を打っている」――そんな驚きの事実が、地球科学の世界で静かに語り継がれています。これは、1960年代に初めて検出された“地球の脈動”と呼ばれる現象で、現在に至るまで正体がわかっていないのです。

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地震とは異なる「脈動」とは?

地球の脈動のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

この脈動は、人間が感じるような揺れではありません。しかし、世界中の地震計がごく小さな信号としてこれをとらえており、まるで“地球が規則的に息をしている”ような現象です。地震ではなく、火山噴火でもない。この奇妙なリズムはいったいどこからやってきているのでしょうか?

最初にこの現象が記録されたのは1962年であり、南大西洋、もしくは赤道付近から26秒ごとの信号が伝わってくることが発見されました。特に、北半球の夏に強くなる傾向があることも確認されています。しかしその後、地球科学の主流から外れたこの研究は、しばらく忘れ去られることとなります。

そして時は流れ2005年。米コロラド大学の研究チームが奇妙な地震データを発見。「何かがおかしい」と感じた研究員らは、機器の誤作動や分析ミスの可能性を排除しつつ、三角測量で信号の発生源を特定。それはアフリカ西岸沖、ギニア湾の「バイト・オブ・ボニー」と呼ばれる海域でした。

波か? 火山か? 二分する仮説

サントメ島の位置 出典:TUBS

では、なぜこの場所だけが脈動の源となっているのでしょうか? 現在、主に2つの仮説が存在しています。

ひとつは、「海の波が大陸棚にぶつかることで発生する」という説だ。波が陸地近くの浅瀬をたたくことで、地面に小さな振動が生じ、それが地球全体に伝播しているのではないかというものです。

一方で、この脈動は火山活動によるものだという主張もあります。その理由は、脈動の震源が火山島・サントメ島のすぐそばにあるからというもの。しかも、日本の阿蘇山周辺でも類似の現象が確認されており、火山性の可能性が否定しきれないといいます。

忘れられた謎、それでも続く鼓動

地球内部構造 出典:IsadoraofIbiza

波も火山も世界中に存在するのに、なぜこの「ギニア湾」だけが地球の脈動を生んでいるのでしょうか?この疑問に対する明確な答えは、いまだ見つかっていません。複数の地震計が世界各地でこの26秒周期の信号をとらえているにもかかわらず、発生源は一点に集中しているのです。

こうした「謎の脈動」は、地震学においても主流からはやや外れたテーマであるため、研究の優先順位は低いのが実情です。プレート運動や地下構造の解明が重視される中、規則的で小さな“地球の鼓動”は静かに見過ごされがちています。

それでも、地球は今日も、私たちが知らぬところで“トン、トン、トン”と鼓動を打ち続けている。みなさんは26秒ごとの脈動の正体は何だと思いますか?コメントお待ちしています。

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