NY市場サマリー(3日)ユーロ上昇、国債利回り低下 株反落・ダウ649ドル安
<為替> 終盤の取引でユーロが上昇した。ウクライナの和平合意への期待感が改善したことなどが材料となった。
ユーロは0.89%高の1.0468ドル。日中高値からはやや下げたものの、前週末の安値1.0359ドルからは大きく上げた。
アナリストらは、ウクライナ和平合意の可能性とユーロ圏諸国による財政支出増加の可能性が、将来の成長を後押しし、ユーロを支える可能性があると述べた。
ドル指数は0.48%安の106.78となった。
ドル/カナダドルは0.4%高の1米ドル=1.4523カナダドル。ドル/メキシコペソは0.9%高の1ドル=20.7165ペソとなった。
日本円に対しては、ドルは0.26%下落して150.23円となった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約1.7%上昇し8万5665.91ドル。イーサリアムは4.74%下落して2119.73ドルとなった。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが低下した。米供給管理協会(ISM)の製造業購買担当者景気指数(PMI)発表などが重しになり、特に長期債利回りが大きく低下した。
トランプ米大統領はが4日に発動するとしているカナダとメキシコに対する25%の関税措置も注目されている。
これを受け、10年債利回りは一時4.168%と、昨年12月9日以来の水準に低下した。
アネックス・ウェルス・マネジメント(ウィスコンシン州)のチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は 「ISMの製造業PMIが(拡大と縮小の分岐点を示す)50を上回っていることで、多くの懸念材料が看過されている」と指摘。サプライヤーの納期遅延と価格上昇が要因で50を上回っているとし、「景気の強さを示す指標とはいえない」と述べた。
その上で「(トランプ政権が打ち出している)関税措置が全ての懸念の根源になっている」とし、「関税問題から早く脱却できれば、企業、消費者、物価、経済成長にとって状況は改善する」と述べた。
このところの経済指標が軟調になっていることで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げに向けた動きが活性化する可能性があるとの見方が台頭。市場が予想する年内の合計の利下げ幅は67ベーシスポイント(bp)と、これまでの50bp未満から拡大した。
終盤の取引で10年債利回りは4.9bp低下の4.18%。30年債利回りは5.2bp低下の4.463%。
2年債利回りは0.4bp低下の3.991%。2年債と10年債の利回り格差は18.7bp。
米金融・債券市場:
<株式> 主要3指数がいずれも反落して取引を終えた。トランプ大統領がカナダとメキシコに対する25%の関税を4日に発動すると言明したことや、製造業活動の鈍化を示す指標を受けた。
米株市場はISMのデータを受けて下落し、トランプ氏の発言で下げ幅を拡大した。
オーシャンパーク・アセット・マネジメントのジェームズ・セント・オービン最高投資責任者(CIO)は「一連の悪い経済ニュースが続き、好調となっている企業の第4・四半期決算を受けた楽観的な見方に若干水を差しているようだ」と指摘。トランプ大統領の政策には不透明感があり、ポジティブなセンチメントを弱気にさせていると語った。
消費者需要の鈍化を示す最近の指標を受け、景気減速懸念が高まっているほか、インフレ懸念も浮上している。トランプ氏は既に発動済みの中国に対する10%の追加関税にさらに10%を上乗せする措置を4日に実施するとも表明している。
米市場に上場する中国企業の株価は下落。自動車メーカーの蔚来集団(NIO)は8.6%安、電子商取引(EC)大手の京東商城(JDドットコム)は約4%安。
米国株式市場:
<金先物> 米政権による関税政策の行方に不透明感が広がる中、安全資産としての金が買われ、3営業日ぶりに反発した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比52.60ドル(1.85%)高の1オンス=2901.10ドル。
金塊相場は前週中に3.55%安となったことで、安値を狙った買いも入りやすかった。
NY貴金属:
<米原油先物> 米景気減速懸念や主要産油国による実質的な増産観測が重しとなり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.39ドル(1.99%)安の1バレル=68.37ドル。昨年12月9日以来、約3カ月ぶりの安値を付けた。5月物は1.28ドル安の68.06ドルだった。
石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が、計画通り4月から自主減産分の段階的縮小を開始するとの報道を受け、午後に下げ幅を一段と拡大した。
NYMEXエネルギー:
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