ビットコイン、一段と深まる弱気相場-ETF投資家が8.7億ドル引き揚げ

Sidhartha Shukla

  • 10月10日に大規模な清算、仮想通貨の時価総額は1兆ドル超が消失
  • 当面はセンチメントの低迷が続く可能性が高い-シグナルプラス

暗号資産(仮想通貨)ビットコインが、節目の10万ドルから一段と下げている。市場全体に広がるリスク回避の動きを受け、投資家は9億ドル(約1400億円)近い資金をビットコインに投資するファンドから引き揚げた。

  ビットコインは14日、一時2.8%下落して9万6000ドルを割り込んだ。その後下げを縮小したが、10月初旬に記録した最高値からは20%以上値下がりしている。

  コインゲッコーのデータによると、10月10日に発生した190億ドル規模の清算で、仮想通貨全体の時価総額から1兆ドル余りが消失。コイングラフのデータでは、清算はなお続いており、過去24時間で10億ドル相当のレバレッジ取引が失われた。

 一方、ビットコインに投資する上場投資信託(ETF)では、13日に約8億7000万ドルの純流出が発生。市場での取引が開始されて以降で2番目に大きい1日当たりの流出額となった。

  フランクリン・テンプルトン・インベストメント・ソリューションズの副最高投資責任者、マックス・ゴックマン氏は「現在の売りは他のリスク資産と完全に相関しているが、仮想通貨はボラティリティーが高いため、変動幅も大きい」と述べた。

  流動性も急速に低下している。ブロックチェーンデータ企業カイコによると、大口取引を吸収しても大きな価格変動を起こさない市場の「デプス(厚み)」は、今年のピーク時からおよそ30%縮小している。

  シグナルプラスのパートナー、オーガスティン・ファン氏は「トランプ大統領の2期目就任以降、ビットコインはマイナス圏に転じ、仮想通貨市場全体の時価総額も年初来の上昇分をほぼ失っている。9万ドル台前半までは下値支持線が乏しく、当面はセンチメントの低迷が続く可能性が高い」と述べた。

原題:Bitcoin’s Bear Market Deepens as ETF Investors Yank $870 Million

(抜粋)

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