2026年の株式市場「午尻下がり」は当てはまるか(馬渕磨理子)
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2025年も年の瀬を迎えようとしています。本年も連載をお読みいただいた皆さんに、心からお礼申し上げます。25年の株式相場は、まさに激動の一年でした。
まず市場を翻弄したのが「トランプ関税」です。4月3日、トランプ米大統領が「相互関税」の詳細を発表し、日本への追加関税率を合計24%とする案が示されました。
日経平均株価は3月末の3万5000円台から4月7日に3万792円まで下落しました。もっとも、4月10日にはトランプ大統領が「相互関税の上乗せ部分を90日間一時停止する」と表明し、これが事実上の発言トーンダウンとして受け止められました。5月13日には3万8000円台と株価はV字回復となりました。
一方、米国では秋口から利下げ再開の局面に入りました。米連邦準備理事会(FRB)は9月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を4.25〜4.50%から4.00〜4.25%へと0.25ポイント引き下げ、25年最初の利下げに踏み切りました。その後、10月末の会合でも追加の0.25%下げを実施。景気の減速や失業率の上昇に備える、いわば予防的な利下げのスタンスが明確になりました。
日本では、政治面でも歴史的な転換点を迎えました。10月4日の自民党総裁選で、高市早苗氏が総裁に選出。同月21日に高市内閣が発足しました。いわゆる「高市トレード」への期待から、日本株には一気に追い風が吹きます。11月4日には日経平均が5万2636円と、史上最高値を更新しました。
そして、執筆時点の12月1日現在、市場では日銀の利上げ観測が一段と高まっています(編集部注:日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ0.75%とすることを決定)。
国内では、円安による家計負担の増大を背景に「利上げを急ぐべきだ」という声が強まる一方で、実質賃金のプラス転換を確認するまでは利上げを見送るべきだとする慎重論も根強く、意見は割れています。いま日銀は、経済と物価の両面のバランスを取りながら、難しいかじ取りを迫られています。
26年に目を向けると、「干支(えと)のアノマリー」で言えば午(うま)年は「午尻下がり」に当たります。「卯跳ねる、辰巳天井」といわれた黄金相場の流れのあとには、過去の歴史でも値動きの荒い局面が何度もありました。加えて、米国の中間選挙が重なることも、政策不透明感や政局要因を通じて相場に一段のボラティリティーをもたらす可能性があります。
足元の相場は、米国市場におけるエヌビディアを筆頭とする「マグニフィセント7」がけん引し、日経平均も11月末時点で5万円台前半まで駆け上がっています。アドバンテスト、ソフトバンクグループなど人工知能(AI)・半導体関連銘柄に買いが集まりました。過去のアノマリーがそのまま当てはまらない相場環境でもあります。
しかし、先人の知見を軽視するのは、現代に生きる私たちの傲慢さでもあると思います。時代に合わせて分析手法を進化させながらも、アノマリーを含めた「相場の歴史」に耳を傾けることは重要です。26年も、アノマリーだけではなく、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と市場心理、そして政策と経済の変化を複眼的に見ながら、皆さんと一緒に市場を読み解いていきたいと思います。
今月のIPO(新規株式公開)は、HUMAN MADEとノースサンドに注目です。HUMAN MADEはNIGO氏が創業したファッションブランドを核に衣料品、雑貨などライフスタイル全般へ事業を広げています。新商品を毎週発売し、セールや値引きを一切行わず、短期間で売り切るビジネスモデルが強みです。
ノースサンドはIT×ビジネス領域で企業の業務改革を支援する総合コンサルティング会社。過去3年間の年平均成長率(CAGR)は92%と高い伸びを維持しており、需要と供給のバランスが取れた健全な成長が続いています。
[日経マネー2026年2月号の記事を再構成]
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