「斎藤知事の元側近」はなぜ敗北したのか SNS熱狂の舞台裏
候補者の周りには、熱気と対立が入り交じった。
25日に投開票された兵庫県議の補欠選挙(高砂市選挙区)。人口8万人あまりの地方都市の補選に異例の注目が集まった。
すべての始まりは、斎藤元彦知事の側近とされ、文書告発問題の渦中で辞職した元副知事の出馬だった。
「再び風は吹くのか」「これは代理戦争だ」
9日間の選挙戦。影の主役は、やはり斎藤氏だった。
「知事支えられなかった」と涙の辞職
「私の力不足だった」
25日夜、高砂市の事務所。元副知事の片山安孝氏(66)は投票締め切り直後、早々に落選の一報が入ると深々と頭を下げた。
片山氏は県職員として、産業労働部長などを歴任。斎藤氏が2021年に初当選すると副知事に選任され、改革を掲げる知事の右腕として辣腕(らつわん)を振るった。
転機となったのが、24年に浮上した文書告発問題だった。
元県幹部(故人)が斎藤氏のパワハラなどの疑惑を文書で告発。斎藤氏の指示を受けた片山氏が元幹部を事情聴取するなど、内部調査の中心的な役割を担った。
やがて斎藤氏への追及が強まる中、片山氏は元幹部が死亡した同年7月、「県政に停滞と混乱を招いた」として辞職。記者会見では「知事を支えきれなかった」と涙をぬぐった。
あれから約2年。出身地の高砂市から来春の県議選に立候補すると突然表明し、地元に驚きを広げた。
その後、自民党県議の死去に伴う補選が決まり、立候補を前倒しする形で今回の選挙に臨んだ。
「斎藤氏の支持は今、どれほどなのか」
高砂市では、文書告発問題を受けて実施された24年の出直し知事選で、再選した斎藤氏が44・5%を得票し、候補者の中でトップだった。
短期間で対抗馬の擁立を迫られた自民を中心に、県議会で斎藤氏と対峙(たいじ)する議員らの警戒感は強まった。
今回の補選が、斎藤氏への支持が現在も維持されているかを測る「試金石」との見方も出た。
告示から2日後、文書告発問題に言及
「是々非々という曖昧な姿勢ではなく、斎藤県政の推進に協力していく」
告示日の16日。無所属で出馬した片山氏は出陣式で、副知事の経験を訴えるとともに、斎藤氏を全面的に支持する姿勢を鮮明にした。
さらに2日後、片山氏は踏み込んだ。
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