無謀な富士登山 中国人大学生、1度救助されるもまた遭難 「山頂に携帯忘れた」
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5日の間に2度も富士山で遭難した中国人大学生の行動が波紋を広げています。番組が取材すると、その間にも中国人が相次いで無謀な富士登山に挑んでいたことが分かりました。
■2回遭難 詳しい状況が明らかに
15日も多くの観光客でにぎわった富士山。目立つのは中国人観光客です。
外国人の遭難事故が各地で相次いでいます。
13日には、「蝦夷富士」と呼ばれる北海道の「羊蹄山(ようていざん)(標高1898メートル)」で、イギリス人の男女2人が遭難しました。救助された時、男性は薄い上着にハーフパンツ、女性は半そでシャツという軽装でした。
富士山では先月、一度遭難した中国籍の男子大学生(27)が4日後に再び遭難する事態が発生しました。番組の取材で、遭難時の詳しい状況が分かってきました。
最初の通報があったのは、先月22日の午後1時48分。アイゼンと呼ばれる雪道を歩くスパイクのような道具をなくし動けないと男子大学生から消防に連絡がありました。
午後3時17分には山梨県の防災ヘリコプターが現場近くに到着。雪が残る斜面を10分ほど捜索し、大学生を発見しました。
見つかった場所は、富士山頂の標高3776メートルにある剣が峰の手前、山小屋の東側です。
大学生は意識があり話もできる状態で、通報からおよそ2時間後(午後3時33分)、山梨県内の病院へ運ばれました。この時、山頂の気温は0℃以下。晴れていて、風が弱かったことが幸いしました。
ただ、天候が急変すると…。
遭難から1週間後に撮影された山頂の映像です。時折、大人でもあおられるような強風で、最低気温はマイナス12℃でした。一面の雪で歩くことも難しい状況です。
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■「携帯を回収しようと」7時間かけ懸命救出男子大学生が再び遭難したのは4日後のことでした。
午後0時51分に別の登山者から通報があり、警察・消防合わせて12人が富士宮口5合目から救助に向かいました。
通報から7時間以上後、男子大学生を発見。見つかったのは富士宮口の8合目付近。標高3250メートルの登山道にいました。この時、気温はマイナス10℃。
静岡県警の山岳救助隊によると、この時は高山病の症状があり、自力で下山できる状態ではなかったといます。
担架で5合目まで運ばれた大学生は、翌日の午前2時50分に富士宮口の5合目で消防に引き渡され、救急車で病院に運ばれました。
2度も遭難するという前代未聞の事態。しかし、その間にも別の中国人が閉山中の富士山を登っていたことが分かりました。
男子大学生が1度目に遭難した3日後の映像。気温が急降下したのでしょうか。道中、顔を完全に保護して頂上を目指します。
中国のSNSには、富士登山の映像が数多く投稿されています。
今月4日に撮影された映像に記録されていたのは強風と深い雪。前を進む登山者が見えなくなる雪混じりの風が襲います。急な斜面に積もった雪は固まり、滑り台のようにカチカチになった登山道を進みます。
なぜ中国人は富士山にひかれるのでしょうか。万全の準備をしたうえで登ったという中国人大学院生(20代)は番組の取材に対し、こう答えました。
富士山では、登山計画書の提出を義務付けていて、夏山シーズン以外に万全な準備をしない登山を禁止しています。
中国籍の男子大学生が富士山で遭難し、2回も救助された件については。
(「グッド!モーニング」2025年5月16日放送分より)
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