「火に焼かれない」ファイアサラマンダー、実は毒の粘液が蛍光に光ると判明 天敵への警告か

ファイアサラマンダーに紫外線を当てると、腹部と側面に青緑色の星々のように光る点が現れることがわかった。(BERNAT BURRIEL-CARRANZA)(BERNAT BURRIEL-CARRANZA)

 古代、サラマンダーは火に焼かれないと考えられていた。彼らがよく薪(まき)の中にいることから生まれた伝説のようで、毒をもち、黒地に鮮やかな黄色い斑点があるヨーロッパ原産のファイアサラマンダー(Salamandra salamandra)の名前もこの伝説に由来する。もちろん、実際に火に強いわけではないが、新たな研究で、ファイアサラマンダーが光りを放つことが明らかになった。論文は5月27日付けの英国王立協会の学術誌「Royal Society Open Science」に発表された。

ギャラリー:星々のように蛍光に光るファイアサラマンダー 写真4点

 研究チームがファイアサラマンダーに紫外線を当てたところ、腹部と側面に青緑色の星々のように光る点が現れ、体から光る粘液を分泌していることが確かめられた。論文では、ファイアサラマンダーはこれらの光る点で暗い森の林床で捕食者を威嚇したり、繁殖相手を引きつけたりしているのではないかとしている。 ファイアサラマンダーは発見が相次ぐ生物蛍光を示す両生類の仲間だ。蛍光とは、ある波長の光を吸収し、緑やオレンジ、赤といった別の波長の光を放つ現象だ。「私たちは今、生物蛍光を発する両生類や四肢動物が次々と発見されるワクワクする時代にいます」と、米セントクラウド州立大学の爬虫両生類学者ジェニファー・ラム氏は言う。

 また、こうした発見が「どういった種が蛍光を発し、どんな仕組みなのかについて、理解を深めてくれるはずです」とも付け加えた。なお、氏は今回の研究には関与していない。


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 研究チームは、ファイアサラマンダーの生物蛍光には生態学的な目的があるのではないかと考えている。ブリエル・カランサ氏によると、他の両生類や潜在的捕食者は、ファイアサラマンダーに現れる光の点から放たれる波長を見られるという。つまり、ファイアサラマンダーが出す光る分泌液は捕食者に対し、毒があることの警告になっている可能性がある。 また、オスはメスより黄色い部分の割合が大きいという報告もあり、研究チームは、生物蛍光が繁殖期にオスを目立たせるのに役立っているのではないかとも考えている。オスは光る部分を見せつけるのをためらわず、しかも蛍光が最も強い胸部や喉を高く上げることが多い。 ファイアサラマンダーの生物蛍光はネオンサインのように「他のサラマンダーにも見え、暗い森の林床で彼らを際立たせるはずです」と、ブリエル・カランサ氏は言う。 ファイアサラマンダーの生物蛍光が明らかになったことは、よく知られた種であっても、ほかの科学者が生物蛍光現象を調べるきっかけとなるだろうと、樹上性カエルの生物蛍光を研究する独立系研究者のコートニー・ウィッチャー氏は言う。「何が発見されるかは、そもそも何を探すかで決まります」と、ウィッチャー氏は言う。「生物蛍光を示す両生類の記録が増えれば、この現象について科学者はより頻繁に検証し、記録していくようになるでしょう」。なお、氏は今回の研究には参加していない。

 ブリエル・カランサ氏にならい、両生類を探しに行く生物学者はUVライトをいつでも使えるようにしておくといいだろう。

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