中学受験を控える家に投げられた生ごみの謎。調査でわかった「衝撃の犯人」とその後

中学受験の「天王山」と言われる2月1日に向け、首都圏での2026年中学受験「本番」がスタートしている。1月10日には都内の中学に先立ち、埼玉県の「埼玉栄」など人気校の入試がスタート。20日からは千葉県、そして2月1日から東京と神奈川の入試日となる。

中学受験のスケジュールを組み立てるのも至難の業だという。第一志望を2月1日に受験する小学生が多いが、予備受験は1月10日から始まる。そこでもし合格しなかった場合は2月5日の午前と午後にどこを受験するのかをその結果次第で変更することもある。もちろん当日受験したいといっても受験ができるはずもなく、複数の学校に願書だけ出しておく事例もある。お金も手間もかかる作業だ。

なにかに挑むことは素晴らしいことだが、学校には定員もある。受験生にとっても親にとっても「挑んでみるけれど、ダメなことも当然ある」ということも認識する必要があるのは当然だ。しかし「とにかく公立以外のどこかに合格しなければ」という焦りが出た場合、それがストレスになってしまうことも少なくない。受験のストレスでこれまでに起きた悲しい事件も少なくない。「受験がすべてではない」ということが絶対なのだ。

「中学受験は、塾の送迎などで、親同士の連帯感が高まります。これが浮気につながったり、嫉妬からの嫌がらせに発展することも。その背景には心の疲労もあると思います」

メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つリッツ横浜探偵社の山村佳子さんはこう語る。

山村さん連載「探偵はカウンセラー」第27回は、息子が小学6年生で、中学受験直前だという43歳の芳恵さん(仮名)からの依頼。中学受験が近い中、2週間前から自宅に生ゴミが投げ込まれたり、庭の水を出しっぱなしにされるなどの嫌がらせにあっているという。ゴミの不法投棄も庭の水を出しっぱなしにすることも犯罪だが、証拠を集めなければ警察に取り上げてもらうことは難しい。

果たして誰がなんの目的のためにやっているのだろうか。

自宅に生ごみや腐った柿が…

芳恵さんは、専業主婦でパート勤務をしています。同じ年の夫とは結婚15年、息子も生まれ、3人で幸せに暮らしていました。現在小学6年生の一人息子は、中学受験に取り組んでいます。この息子が成績優秀で、第一希望の合格は確実と言われており、さらに上の学校を目指しているそうです。芳恵さんも夫も、塾から自宅に帰る息子やその友人たちの送迎などをしつつ、受験日に向けてサポートしていました。

しかし、2週間前から自宅近辺に異物を撒かれるようになり、メンタルが不安定に。芳恵さんは不眠気味になり、「このままでは息子が全力で受験に向き合えない」と不安になりました。芳恵さんは警察に相談しましたが、パトロールの強化で話が落ち着いてしまいます。また、加害者を罰してほしいわけではなく、嫌がらせをやめてほしいだけなので、探偵に依頼したのです。

ゴミが撒かれるのは、午前中が多いので、その時間帯に調査することにしました。

150坪の広大な敷地の一戸建て

芳恵さんは「平凡な主婦」と言いますが、夫と息子は眉目秀麗で、実家の土地に家を建てており、経済的に恵まれています。息子の成績はよく、妬まれる要素は多分にあります。そんなことを念頭に張り込みをスタート。

芳恵さんが「家の敷地は広い」とおっしゃっているとおり、150坪ほどの実家の一角に芳恵さん一家が住む、築15年程度の一戸建てはありました。長方形の土地で庭が広く、塀の高さは150cm程度。簡単にものを投げ込めます。

自宅の隣にシンプルなガレージがあり、ドイツ製の高級車が停まっています。芳恵さんは鼻にかけておらず、高級ブランドをこれみようがしにも身につけていませんが、妬まれる要素がたくさんありそうです。

ひとまず、監視カメラをいくつか設置し、私たちは近くのパーキングに停めた車の中で待機。1日目は空振りでした。

2日目も朝8時から張り込みを開始。すると、通勤や通学が落ち着き、人通りもまばらになった10時半ごろ黒いダウンジャケットを着た人が、自転車で来て、芳恵さんの家の周りに何かを置いています。私たちは電動自転車を組み立てて、尾行の準備をスタート。

追いかけると、芳恵さんの自宅から600メートルほど離れた一戸建てに入って行きました。表札と住所を確認しました。芳恵さんの自宅周辺に置かれていたのは、切り落とした鯖の頭4個分と、犬か猫と思しき、動物の糞でした。証拠となる写真を撮影し、私たちの手で回収して処分しました。もし、この後、加害者が現場の確認に来た時に、置いたものが回収されていれば「気づいていますよ」という警告になると思ったのです。しかし、その後、20時まで張り込みましたが、特別動きはありませんでした。

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