ルクレールとハミルトン、「性能ゼロ」発言と“沈黙”が突きつけるフェラーリのカタール惨敗
マクラーレン、メルセデス、レッドブルがポールポジションを巡って激しい火花を散らす中、赤いレーシングスーツを身にまとったフェラーリの2人は、その争いの蚊帳の外に置かれていた。
シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンにとって、カタールの夜は再び悪夢となった。スプリントでの惨敗に続き、予選でもライバルたちの背中すら見えない絶望的なパフォーマンス不足に打ちのめされた。
ハミルトン、3連続Q1敗退の屈辱
フェラーリ移籍初年度はキャリア最悪のシーズン——前戦ラスベガスGP終了後、こう総括したハミルトンは、今週末もリズムを掴むのに苦しんでいる。
ピットレーンスタートとなったスプリントは17位、その後の予選では2戦連続、スプリント予選を含めれば3回連続のQ1敗退(18番手)という厳しい現実を突きつけられた。
「全体的なフィーリングは良くなっていたんだ。変更を加えて感触は良くなった。だけど、ただ遅かった」
ハミルトンは力なくそう認めた。オーバーテイクが難しいロサイルにおいて、18番グリッドからのポイント獲得は極めて険しい道のりとなる。苦境にある今、ファンにどんなメッセージを伝えたいか?と問われたハミルトンは、言葉に詰まった。
「そうだね…いまは特に、伝えたいメッセージはないよ」
長い沈黙のあと、ハミルトンはこう続けた。
「ごめん、、ただ、1年を通して僕を支えてくれた皆には、本当に感謝してる。みんなの支えがなかったら、この一年を乗り切れなかった」
ルクレール「ゼロパフォーマンス」
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
スプリントに向けてグリッドに立つシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年11月29日(土) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
チームメイトのルクレールもまた、深い落胆の中にいる。なんとかQ3には進出したものの、ポールポジションのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)から1秒以上離され、10番手に沈んだ。
週末を通して苦しめられたオーバーステアは改善せず、Q3のアタック中には高速のターン15で2回転スピンを喫した。
「信じられないほど困難な一日で、信じられないほど困難な週末だ。なんて言えばいいのか分からない」
「このクルマをコース上に留めておくだけでも、とんでもなく大変なんだ。全力を尽くしてパフォーマンスを引き出そうとしているけど、現状ではこれが精一杯だ」
常に前向きな姿勢を崩さないルクレールだが、今回ばかりは白旗を上げざるを得なかった。
「フラストレーションが溜まる。明日に向けて気持ちを切り替えて、モチベーションを持ってサーキットに戻り、何か特別なことをしようと努めるのが精一杯だ」
「明日に向けて楽観的かって? いや。僕が楽観的じゃないなんてかなり珍しいことだけど、今週末に関して言えば、このクルマの性能はゼロだと言わざるを得ない」
ルクレールはスプリントに向けてもリセットを試みたが、結果はコースオフを繰り返し、4つポジションを落として13位に終わった。「明日、感触が良くなると思える要素は何もない」と語る。
名門フェラーリが決勝で頼れるのは、もはや自力ではない。
「待つしかない。明日はできるだけ最善を目指すつもりだ。セーフティーカーが入ってくれれば、少し運が向くかもしれない。たぶん、それが明日の唯一の望みだろうね」
2025年F1カタールGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がスプリント予選に続いてポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間11月30日(日)25時にフォーメーションラップが開始され、1周5419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。