<2026年熊本地震>東京通信大の松尾特任教授「避難所からの避難を」 提言の理由は?

 猛暑の熊本を襲った最大震度7の地震。過酷な気候の中、厳しい避難生活が続けば、体調悪化や災害関連死の恐れが高まる。防災行動学が専門で、災害時の行動計画を事前に決める「タイムライン」の重要性を提唱する東京通信大の松尾一郎特任教授(70)は「災害関連死を防ぐには『避難所からの避難』を進めるべきだ」と訴える。(聞き手・東寛明)

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 地震の際、建物の倒壊や火事による「直接死」をなくすには、発災前の準備が肝要だが、避難先の環境に伴って発生する「災害関連死」をゼロにするには発災直後からの努力が必要。国と熊本県、自治体が連携して実現できるのは、被災者を避難所から安全で快適な宿泊施設に移す「避難所からの避難」だ。

 「避難所からの避難」は「広域避難」「2次避難」とも呼ばれる。2024年の能登半島地震では、被害が大きかった石川県の輪島市の住民が100キロほど離れた金沢市の宿泊施設に移った実績がある。

 今、被災者は猛暑の中での避難を強いられている。避難所は停電すれば冷房は止まる。空調が稼働しても冷房が十分に効かなかったり、逆に寒すぎたりすることもある。入浴もままならず、トイレ一つ取っても不安だらけだ。

 避難所ではプライバシーを完全に保てず、ストレスがたまる。それを避けて車中泊をすると、エコノミークラス症候群が怖い。劣悪な状態が続けば、高齢者や障害がある人は一気に体力が低下する。

 そこで「避難所からの避難」という発想が大事になる。災害関連死を確実に減らせる方策だ。

 今回の場合の避難先は、被害が少なかった観光地が考えられる。地震の影響でキャンセルが出ているかもしれない。そこをうまく利用したい。災害救助法が適用された自治体からの避難者ならば、バス代なども含めて宿泊費も国費で手当てができる。

 ただ、被災した市町村が他の自治体に「被災者の受け皿になってほしい」と要請するのはなかなか難しい。そこで、国がゴーサインを出し、熊本県が仲介役を担えば、実現は難しくなくなる。

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